2109.2013年2月20日(水) 安倍首相の本心は?

 明日安倍首相は首相就任後初めて訪米する。2期目に入ったオバマ大統領とワシントンで首脳会談を予定している。滞米中にシンクタンク・米戦略国際問題研究所(CSIS)で講演を行うそうだが、そのタイトルが‘Japan is back.’というものだ。このタイトルを見た瞬間、何を言おうとしているのかよく分からなかった。

 われわれ日本はあなた方アメリカの懐へ帰ってきましたから昔通り仲良くして下さいと、揉み手をしながらアメリカへご機嫌取りをしているようなイメージを思い浮かべてしまった。実際そうなのだろう。民主党政権が緊密な日米友好関係を壊してしまったという日米高官レベルの認識と反省から、敢えて安倍首相にこのようなタイトルでアメリカ国民に呼びかけてもらい、これから再び緊密な連携で相互の友好を深めていこうとアピールしようとしているのではないかと考えてしまう。

 アメリカの日本に対する最大の不信感は、普天間基地移設がこじれてしまったように日米間で同意したことが一向に守られず、沖縄でオスプレイ反対、米軍基地撤廃などの反米的行動が後から後から起きることに対して、大きな不満があるからではないかと見られる。

 日米首脳会議では、資源エネルギー分野の協力についていくつか話し合われると考えられているが、そのひとつに首相は「『原発稼動ゼロ』の見直しを表明し、原子力分野で日米両国が協力を維持する」ことを約束すると見られている。

 民主党政権が「2030年代に原発稼動ゼロ」を公表したが、その時アメリカは日米の原子力協力体制から日本が一方的に逸脱するのは理解できないと不満を募らせていた。安倍首相がアメリカと縒りを戻そうとする背景には、このアメリカ政府の意向に合わせなければならない。首相就任直後からしきりに民主党の公約を「ゼロベースで見直す」と公言しているのは、実はアメリカ向けのパフォーマンスだったのである。ということは、首相の腹の内はもうはっきりしている。「ゼロベースで見直す」ではなく、断固「原発再稼動容認」である。それならそうと朝日の世論調査で示された原発反対70%の声に対抗して、首相自身がより重要だと考える原発再稼動の根拠と考えをはっきり表明すべきではないか。そのうえで、公開の場で国論として賛否両論の熱い論争をしてはっきり結論を出すべきではないか。

 陰険に策を凝らしていながら、アメリカと合意したので原発政策を推進するとは、お坊ちゃまもちょっと姑息ではないか。

2013年2月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com