3308.2016年6月3日(金) 7歳の行方不明男児無事保護される。

 先月28日から北海道の山林内で行方不明になっていた7歳の男の子が無事保護された。自衛隊、警察、消防関係者の他にも多くの人々があれだけ捜索活動を行って見つからない状況から、多くの人が悲しい結末を予想していたに違いない。昨日は季節外れの雪も降った北海道の気象から推して、寒さと空腹で子どもは絶望視されていた。実際今日から捜索活動は中止される予定だった。

 いつも通り9時ごろテレビ番組「羽鳥モーニングショー」を観ていたところ、突然「北海道で行方不明の男児保護」とテロップが表れ、その後現地からの中継で男児が駒ヶ岳麓にある陸上自衛隊演習場の休憩小屋内にいるところを自衛隊員に発見され、保護されたと伝えられた。日本中がこのニュースにはホッとしたに違いない。大きな傷や病の様子はなく、6日間もの間食事も摂らず水分補給だけでよくぞ生き延びてくれたと男児の奇跡的な生還と生命力に拍手を送りたい。

 この事件では子どもの父親のしつけが少々行き過ぎた面があるように思う。誰もいない山林道路で幼い子どもをたった1人だけにして立ち去れば、どんな事態が起こるか分かりそうなものだ。この少々荒っぽいしつけは、あまりにもわが子への愛情に欠けた非難されるべき行為であろう。例え一時的に見えないところから再び車から降ろした場所へ戻ったにせよ、子どもが必死になったらどんな行動を取るかは想像もつかないものだ。実際今回の事件でも子どもは車が立ち去った方向とは反対方向へ進み、距離にして10㎞近い寂しい道路を歩いて幸い自衛隊施設に辿り着いている。

 イギリスのBBCや、アメリカでもCNNやロサンゼルス・タイムスが強い関心を以ってこの事件を伝えた。

 それにしても日本中の人々を心配させた幼児の行動には、普通では分からないことがかなりあることを知らされた。厳しい条件の中で保護された児童の行動には、幸運もあった。普段ならロックされている小屋の扉に鍵がかけられていなかったので、簡単に入室することができたことや、食料はなかったが水道水があったこと、マットレスが備えられていて寒さしのぎができたことなどである。大勢の人たちの献身的な捜索活動自体は功を奏さなかったが、結局は幸運と児童のサバイバル力、そして周囲の人々の愛情ある支えが1人の子どもの命を救ったと言えるような気がする。

2016年6月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com