アベノミクスがもてはやされて安倍首相の願い通り、円高是正と株価高騰で景気低迷から脱却しつつあると市況は表面的には万々歳である。実際昨日東京証券市場では、日経平均株価が前日より315円も値上がりして終値は1万2283円となり、リーマン・ショック直前の終値を約4年半ぶりに上回った。野田前首相が衆議院解散を表明した昨年11月中旬から実に40%強も値上がりしている。
他方、東京外為市場では円が売られて1$=95円台半ばを記録するウハウハ状態でやや過熱気味である。
ただ、景気回復と円高是正によりそのリアクションも無視できない。特に、輸出関連産業や大手企業にとって現状は一面喜ぶべきことかも知れないが、財務省が発表した1月の国際収支速報では、経常収支が3648億円の赤字となった。これで初の3ヶ月連続赤字である。
貿易赤字の最大の要因は円安による原油価格の高騰である。これは一般の市場価格にも大きな影響を与え、ガソリンや軽油価格の値上げとなって庶民の懐に響いている。一般消費者の懐具合には直接関係はないが、市場では気分的に贅沢ができるような消費効果が出ているようだ。
新聞に目を通すと「除染計画の達成困難」「被災3県の漁業者6割減」「日中貿易8%減」「東北観光昨年の6県宿泊客10年比で8割」「雇用の改善遅れ」等々、どうも気勢の上がらないニュースが多い。
中でも安倍首相が「安全が担保されれば」とは言いながら、国民の反対の声に背を向けて「原発再稼動」へ舵を切ったことが、国民の間に対立の種を撒かないか不安である。
福島県民の強い原発拒絶反応を象徴するかのように、かつては賛成派だった福島県議会議長が原発のある13道県の議長意見交換会で原発反対意見を述べたが誰も同調せず、怒りのあまり退席した後に残る賛成派議長の意見に全員から拍手が起きたという。今や自治体間でも原発賛成派が多くなってきた。明らかに脱原発の針が逆戻りしている。2年前事故発生と同時に、当時の石破茂・自民党政調会長は「自民党の原子力政策のどこが誤ったのかを検証する」と語ったのに、その素振りや反省すら見られなくなった。石破現幹事長も原発賛成派の尻馬に乗って国民に偽りを言っているのだ。
今では景気回復の明るい声の陰で、核のゴミすら処分できない危険な原発政策を推し進めようとしている。こうなると国民は安全と安心を誰に委ねたら良いのか、迷わされるばかりである。
さて、今日午後江戸東京博物館で小中陽太郎さんの近著「翔べよ 源内」に関して、小中さんの源内に関するこだわりや考え方を拝聴する講演会が開かれた。同書は興味深く面白かったし、小中さんからも歓迎とメールをいただいたので、暖かい春の日和の中を出かけた。
中々面白い講演だった。終わってから博物館の近くの都立横網町公園内にある「東京都慰霊堂」へお参りした。ここは関東大震災と東京空襲の犠牲者を慰霊しているところである。明日は東京空襲68年目に当る。宮様も参列されるという明日の慰霊祭に備えて係員が粛々と準備を進めていた。
その後、食事、2次会、そして小中さんと目黒区会議員の須藤甚一郎さんと自由が丘の3次会で、最近控えめのアルコールを3週間ぶりに楽しんだ。
その折小中さんから目新しいニュースをいくつか聞いた。元毎日記者で沖縄の日米密約問題で話題になった西山太吉氏夫人が癌で亡くなられたという。西山氏は蓮見喜久子さんとの姦通問題もあって夫人にとって心痛が耐えなかったのではないかと同情される。また、毎日新聞主筆・岸井成格氏が4月から東京放送ニュース番組のキャスターを務めることに決まった。さらに皇太子妃雅子さんの双子の妹のひとり、渋谷陽子さんが4月から星槎大学大学院教授に就かれること等々である。