小田急山岳部OB会の懇親会が相模大野のホテルで開かれた。昔一緒に山登りを楽しんだ仲間と1年ぶりの再会である。年とともに健康、現在の体調についての湿っぽい話が出るのはある程度やむを得ないが、長年の山の同志が亡くなられた話や、入院、肺浸潤、前立腺の話になると些か暗い気持ちになるのも致し方ない。それでも誰に気兼ねをするでもなく、それぞれ気楽な話をして懐旧談をするのも楽しいものだ。
中には、中国の天安山脈からパキスタンのフンザに入り、カイバル峠近くのペシャワールまで行った話は羨ましい限りだった。宴会場から喫茶に場所を移して4時間近くも話し込んだ。山仲間がいつまでも元気でいることを願っている。
帰りは渋谷の紀伊国屋書店から注文していた書籍が入荷したというので、それを受け取りに行くルートとして、相模大野駅から小田急で中央林間駅へ出て、東急田園都市線・中央林間駅から同線渋谷駅まで急行で向かった。約40分かかった。書籍を受け取って東横線渋谷駅へ行った。この東横線・渋谷駅施設自体は明日が最後の一日となる。明後日からは現在地の地下5階に駅施設が移る。聞けば、駅周辺を再開発して平成39年までに5つの高層ビルを建てる構想だそうである。プラットフォームには現在の渋谷駅の姿をカメラに納めようとする多くの人が群がっていた。確かに戦後一貫してここにプラットフォームがあり、われわれも利用してきた。それが無くなるというのは確かに寂しい気がする。明後日から利用する駅施設は、東横線と東京メトロ、東武東上線、西武池袋線との相互乗り入れにより一面利用者の往来には便利になるだろうが、1乗客の立場から考えて地上のJR等への乗り換えが当面不便になることは間違いない。今後JR線との乗り換えなどの点で、どのような効率的な設備を備えてもらえるのだろうか。
さて、今日カトリックの最高位である法王に新たにフランシスコ1世が決まった。アルゼンチンの大司教ベルゴリオ枢機卿である。2千年の歴史上中南米から選ばれたのは初めてである。前のベネディクト16世が高齢のために自ら退位を表明して若い後継者を選んだわけであるが、新法王もすでに76歳である。いつまで自分の希望と判断力でカトリック教徒を導いていくことができるだろうか。
ここに至るまでコンクラーベと呼ばれる秘密会議が連日開かれ、5回目の会議で漸く新法王が決まった。民主主義が誕生し定着したヨーロッパで、このような秘密裏に決められる法王の選び方はどうも素直に納得できない。これは民主主義国家ではない中国で、今日正式に国家主席就任が決まった習近平・共産党総書記の選出にどこか似ているような気がしてならない。