第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)決勝トーナメントの準決勝がサンフランシスコで行われ、惜しくも日本はプェルト・リコに3-1で破れ、3連覇の夢が潰えた。日本代表チーム(侍ジャパン)は過去2回の大会で優勝したが、今回はメジャーリーガーが1人も参加せず、チームとしての力不足は否めなかった。決勝トーナメントに勝ち残った代表チームを見ると、日本以外はプェルト・リコ、ドミニカ、オランダであり、アジアの強豪、韓国や台湾と、実力的には№1と思われるアメリカが勝ち残れなかったことも意外だった。
確かに野球の盛んな国が参加してはいるが、第1回の計画段階からアメリカは選手会が手を抜いているようなムードであり、主催者の大リーグ機構は片手間の小遣い稼ぎの印象が強かった。日本は協賛金、参加費用、分配金の問題で貢献した割りに報われず、一旦は昨年7月選手会が不参加を決めた。しかし、ファンの強い声とコミッショナーのとりなしで最終的に出場を決めたいわく付きの開催経緯がある。
メジャーリーグ・シーズン開幕直前の開催という点も、選手の所属チームからあまり歓迎されなかった理由である。どうして大リーグ機構がWBC開催をこの時期に拘ったのか理解に苦しむ。それが、結果的にアメリカチームの選手には所属するメジャー・リーグ球団から婉曲に出場辞退をほのめかす要請があり、一流選手が出場辞退となったのだろう。
そもそもこのWBC開催は、世界大会という看板を掲げるだけの幅広い国際的な理解と支援を受けたものではない。アメリカの大リーグ機構が独自に主催し、賛同した国が参加した大会である。その入場料などの分配金は優先的に大リーグ機構に入る仕組みになっている。スポンサー集めに献身的に協力した日本は、その恩恵に与ることなく貧乏くじを引かされたように思えた。大会の運営についても、アメリカがすべてを一手に行い、他の参加国の協力を要請することもなかったし、参加したくなければ参加しなくて結構という態度だった。オリンピックや各競技団体が主催する世界選手権などとはまったく性格を異にするものである。
現状では、参加国のそれぞれの野球機構の考え方がまったく考慮されず、アメリカの思い通りに実施されている。現在の運営や開催方式では真の世界選手権などと呼べるものではない。4年後の次期大会までにもう少し参加国が納得できるような運営と公平さを保てるよう改善されることを願っている。そのためには大会の運営について、ただ野球が好きというだけで、過去にもその資質を問われたにも拘わらず、リーダーシップを取ろうとしない元駐米大使・加藤良三コミッショナーも日本の要望をもっと伝える努力を払うべきである。さもなければ、このWBCの将来はないと思う。