2136.2013年3月19日(火) 怖い巨大地震と危ない原発

 今日の朝刊が派手に報じていたのは、南海トラフ巨大地震に関するビッグな情報である。この南海トラフというのは、静岡県駿河湾から九州東方沖までの深さ4000mの海底のくぼみである。朝日、日経ともに特集全面2頁を費やす大報道の他にも、多面的な角度からあれこれ解説を加えて危機感を煽り心の備えを訴えている。

 昨日巨大地震対策を検討する国の有識者会議は、1000年に1度の可能性としたうえで、M9.1の地震が発生した場合、最悪で経済被害220兆円、死者32万人、全壊・焼失建物238万棟に達する大災害を引き起こすとの報告書を提出した。東日本大震災の10倍以上の規模である。これには原発事故は含まれていないというから、仮に中部電力・浜岡原発辺りが被害を受けたら、日本全国に想像もできないような甚大な被害を及ぼすことになる。

 但し、東日本大震災の教訓を踏まえ、耐震化や防火対策を進めれば被害は確実に減らせるとも付け加えた。道府県別に予想被害額まで提示されている。統計が表示された自治体ではさぞ心穏やかではあるまい。東京はそれほど大きな被害が予想されていないが、もし首都直下型地震が発生した場合を想定したら甚大な被害をもたらすことになるだろう。

 こういう危険信号が発せられている時に、原発廃炉へ向けて営々と作業が続けられている福島第一原発の1、3、4号機の電源が昨日突然停まった。この停電により使用済み燃料プールの冷却装置が止まった。然るに停電の原因はまだ分らないという。このように何が起きるのか分らないほど危うい状態なのが、「終息宣言」後の福島原発なのである。原発再稼動賛成派は安全のお墨付きさえもらえれば直ぐにも再稼動をと、その時期を今か今かと待っている。だが、原発には安全の保証なんてどこにもない。一旦稼動すれば何が起こるのか分からないほど危険な状態の中にいるのだ。こんな危険な状態は震災後の一連のプロセスを見ていれば分りそうなものなのに、ただひたすら電力が欲しいとの焦りと安全神話を妄信して、危険を最小限にしか考えず、また使用済み核燃料の処分問題を棚上げにして問題を矮小化しながら執拗に原発再稼動を画策している。

 メディアもメディアである。特に最近のメディアの報道の仕方はその場限りで、世論を脱原発へリードしていくというジャーナリズムのあるべき姿勢が見られない。継続して原発廃絶を訴える地道な手段を取らず、問題が起きると反対のキャンペーンを行うが、直ぐに熱が冷める。そんな報道の仕方では効果は限定的ではないかとその手法には疑問を憶える。

 昨年安倍首相は、「安全性が担保されれば原発再稼動を容認する」と表明した。この言葉にメディアが反対の声を上げずに、そのまま受け入れた形で報道するのは一体どういう積りだろうか。これだけ危険極まりない原発に安全性など認められるわけがないではないか。原発再稼動の動きをどんどんエスカレートさせているのは、安倍首相、経済界、そして言われた通り見たままをそのまま報道するマス・メディアの姿勢にあるのではないだろうか。

2013年3月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com