2158.2013年4月10日(水) マイクロソフト社の顧客を嘗めきったモラル

 昨日突然日本マイクロソフト(MS)社が、パソコンの基本ソフト(OS)である‘Windows XP’のサポートサービスを残り1年で打ち切ると一方的に発表した。サービス終了後は、仮にウィルス侵入などのセキュリティ上の問題が発生してもMS社は解決の手を差し伸べず、ユーザーは当然問題を解決できず途方に暮れるという。これはMS社の傲慢にして、非情なる顧客突き放しポリシーの決行である。同社が‘Windows XP’以降開発した新ソフト‘VISTA’、‘Windows 7’、及び‘Windows 8’の販売拡張を視野に、明らかに‘Windows XP’からの買い替えを狙ったものである。

 ところが、‘Windows 7’はともかく、現状は‘VISTA’と‘Windows 8’の売れ行きはそれほど芳しくなく、その中で現在の‘Windows XP’ユーザーから‘Windows 7’、及び‘Windows 8’へ買い換えてもらう謀略を凝らし、思い切って顧客をコケにする荒療治に乗り出したものである。

 現時点で‘Windows XP’のユーザーは全‘Windows’ OSの利用者のうち、法人で40.3%、個人で27.7%を占めている。台数にして何と2580万台強に上る。これだけ多くの顧客から市場で自社の商品を選んでもらい購入してもらいながら、その大切な顧客に対して感謝の気持ちがないばかりか、後足で蹴って砂をかけるような冷酷無比な仕打ちである。商品を販売する企業の風上にも置けないやり方ではないか。

 MS社は自社の新たな商品を買ってもらいたいためだけに、大切な自社商品の愛用者である顧客の気持ちを蔑ろにして、一方的に自社の論理と私利私欲を押し付けているのだ。長年の顧客に対して気に入らないなら自分で解決策を考えろと、突き放したような商業道徳に欠ける無礼な商業主義には呆れ果てて開いた口が塞がらない。これだけ大勢の顧客を弄び愚弄した会社がこれまであっただろうか。こんな商業道徳に欠けるMS社は、消費社会の場からとっとと消え去るべきでレッドマークを突きつけてやりたい。

 これがアメリカ流マネージメントの流儀なのか。今朝小中陽太郎さんと電話で話していて小中さんもこれがアメリカのビジネスなんだと言い、お互いに妙に納得したところである。

 実は、私用のヒューレット・パッカード社製パワーポイントについても、一昨年同じようなことがあった。部品購入について同社日本支社に照会したところ、同部品は生産を中止したので、どうしても必要なら新しい機種を購入して欲しいと、この時も電話録音による愛情の欠けた回答だった。その時藁をも掴もうとする顧客の気持ちなぞ一切考慮しないのが、アメリカ流なのかとつくづく思い知らされた。

 これに似たケースは、日本製品にも見られるようになった。1つの典型はパソコン用プリンターである。原価の高い商品になったので、販売し難くなり販売価格を下げてその代わりにインク代を高く設定し、利用者に交換インクを頻繁に、かつ高く買ってもらってプリンターの原価割れをカヴァーするという苦肉のビジネス・モデルに特化したようだ。顧客の利便とか経済性なんて構ってなんかいないのだ。自分たちの都合で何でもありの商業社会になってしまった。確かにどうしてインクがこんなに高いのかと思っているが、原因はこのビジネス・モデルにあったのだ。

 近頃は商業道徳も影を潜め、ただ売れれば良いとのあるまじきコマーシャリズムがのさばっている。

 私自身現在2台のパソコンを併用して利用しているが、1台は‘Windows 97’から乗り換えた‘Windows XP’であり、もう1台は‘Windows 7’である。いずれにせよ、前者は向こう1年間に‘Windows 7’か、あまり売れていないらしい‘Windows 8’に買い換えるか、或いは思い切ってアップル社のタブレット‘iPad’に変更するか、これから時間をかけてじっくり考える必要がある。

 それにしてもこんなに消費者を馬鹿にし、多大なロスを生じさせるビジネスを現状のまま放置しておいても良いものだろうか。消費者庁でも見て見ぬフリをせず、真剣に問題を捉えて、それなりの消費者保護対策を打ち出して欲しいものである。

2013年4月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com