今日は忙しい一日だった。淑徳大学池袋サテライト・キャンパスで小中陽太郎さんの平賀源内の講義を聞いた後、直ぐ鎌倉へ向かった。先日元市長の竹内謙氏から強いお誘いがあった「鎌倉学会」の設立総会に出席するためだ。彼のラグビー部の同期生が3人出席していた。私がラグビー部OB会長を務めた時に副会長として支えてくれた入野耕二さんにも久しぶりに会えた。彼らの年代は鎌倉市内の住人が多く、結束が固い。
参会者は30人ぐらいだった。学会の会則も役員もまだ決まっていない。はっきり言って現状はまだ海のものとも、山のものとも見当がつかない。参会者からそれぞれ意見や考えが発表されたが、何を目指すのかは竹内氏から①地域で活動、②市民自治、③未来志向、の3本の柱が語られ、アカデミックに特化しないと話されただけだ。一応現在の政治、学会のあり方では進歩が期待できないという彼の持論から、地域を核に自由な発想によっていろいろな問題に取り組もうとの提案が示された。
今日のところは最初の集まりであるので無理もないが、実際に動ける何人かの幹事を予め決めて、ある程度取り扱うジャンルを決め方向性を少し打ち出しておいた方が良かったのではないかと思っている。
実際このような活動を幅広く平行して行うということが案外難しい。事実政治的な活動を期待しているような意見もあった。変に政治色の強い、妙な市民運動になっては、竹内氏が考えている本来の目的とは乖離するように思う。あまり間口を広げ過ぎても手が回りかねなくなるのではないかとの心配もある。名称をどうするかについても、それぞれ希望と思惑があるようでもある。「鎌倉『市民の会』」を提案された人もいたが、これでは鎌倉市民だけの会になってしまう恐れがある。
私自身も愚見を提言したが、あまりテーマを広げすぎると収拾がつかなくなるのではないかと懸念を述べ、文化的な分野に的を絞った方が良いのではないかと話した。今年世界遺産登録を目指している鎌倉の市民団体でもあり、世界遺産の件で協力することはできると話した。次回の打ち合わせまでに、もう少し具体的に考えを固めることが大切だと思う。
しかし、いずれにせよ言い出しっぺの竹内氏がイニシアチブを取り、先頭に立って文化的「鎌倉学会」をリードしていかなければならない。気苦労が多いと思うが、できる範囲で協力を惜しまないつもりだ。
さて、先週明治大学のセミナーで話があったが、松本清張著「日本の黒い霧」について登場人物の遺族(スパイ事件の伊藤律の子息)が出版元の文藝春秋に抗議し、文春から提示された和解案を受け入れたことについて、今日の朝日夕刊に記事が掲載された。文春側は重要な作品であり、出版取り止めはできないが、歴史的経緯や時代の制約を伝える注釈を付けるということを遺族に申し入れ、了解してもらった。その伊藤家に宛てた文藝春秋・村上和宏出版総局長名の文書コピーをセミナーでいただいたので、近日同書を読んで冤罪とも言える伊藤律スパイ事件についてよくよく考えてみたい。