沖縄、九州、四国を含む西日本一帯が豪雨に襲われている。一方で渡良瀬川上流の草木ダムは貯水量が満水時の半分程度の渇水状態で、今日から群馬、栃木の12市町村で取水制限を行うと発表した。天候に左右される自然現象の動きを人工的に人間の生活に合わせて活用しようというのが、そもそも人間の驕りなのかも知れない。
ついては、暦の上では今日は夏至に当る。宇宙をあるがままに人間の生活に活かすべくルールを作って当てはめ、生活の利便に供しようとの発想の下で古来いろいろなことが考えられ、実生活に適用しようと種々工夫されてきた。
この夏至という季節の変わり目が、冬至、春分、秋分と並んで古代人の暦や、行事、建造物などに採用されているのが面白い。それらが、古代から現代に至るまで歴史的、または伝統的な形で海外の意外な場所で見ることがあって、その精巧なカラクリにびっくりすることがある。
その中でも私自身にとって身近な挿話として、世界遺産のアブ・シンベル神殿とマヤ文明のチチェン・イッツァが興味深い。この二つの世界遺産に導入された唖然とするほど驚くような逸話については、最近世界遺産の講演では写真を使って必ず話すようにしている。いずれも太陽の自転を利用してできる陰を彫刻の上に反映させるもので、受講者にも驚きを持って受け取られ不思議がられる。まさに「あっ!と驚く為五郎!」である。
さて、その夏至が過ぎると日に日に暑くなり、耐え難い蒸し暑さに閉口することになるだろう。この暑い盛りに明後日は東京都議会議員選挙の投票日である。都民としての義務であるので、投票には出かけるつもりでいるが、最近電話による世論調査とか、アンケート調査ということで不躾に聞かれる回数が増えたのにはうんざりである。今日は調査とは別に候補者から録音による投票依頼電話が2回もあった。有名人の録音テープによる推薦の言葉の後に、立候補者のこれまた録音テープが流れ、「お願いします」一辺倒の言葉を聞かされる。もう少し気の利いたアピールができないものだろうか。
この都議会選挙の中で、姑息な選挙活動があることも知った。都議会議員立候補者のポスターに応援弁士として、来月の参議院選に立候補を予定している議員が、名前を売り込み政策を訴えているのである。選挙違反にならないよう巧妙に選挙運動を行っている構図である。
もう少し気の利いたことに知恵を絞るべき議員が、他人のふんどしで相撲を取ろうとしてまるで漫画である。何とも世知辛く次元の低いパフォーマンスにはやり切れない思いがする。少しはもう少し頭を使って現代人を驚かせる古代人の才覚を見習ってはどうだろうか。