富士山が世界文化遺産として正式に登録されることが決まった。一旦は富士山から遠く45㎞も離れていることを理由に、世界遺産から除外と考えられていた景勝地・三保の松原も世界遺産に含まれることになった。富士山登録の可能性が伝えられてから、ゴミの問題やら弾丸登山などの問題が懸念されているが、それは今後の課題として、まずはメデタシメデタシである。日本の世界遺産としては17ヶ所目となる。私の世界遺産訪問箇所もこれで167ヶ所となった。
折りも折り、今日鎌倉で「鎌倉市民学の会」(略称:鎌倉学会)第2回打ち合わせがあった。前回は鎌倉が世界遺産に登録されるのではないかとの期待感があったが、今日はその話はまったく出なかった。寂しいものである。今回は事前に世界遺産委員会の諮問機関・国際記念物遺跡会議(イコモス)から鎌倉登録の可能性について厳しい意見が付されたが、そのほとんどは日本側が予想もしなかったものだった。ちょっと見通しが甘かったと見られている。登録の可能性が薄いことを察して、日本はすぐに申請を撤回する有様だった。鎌倉の遺跡、遺産は世界遺産の価値としては充分だと思う。反省を踏まえて対策と検討を重ね、捲土重来を期してもらいたいものである。
さて、鎌倉学会の打ち合わせでは20名ほどの熱心な会員が出席し、会の運営方針、研究テーマ、会費、発信情報(ホームページ)作成、ビデオニュースとの提携等々が話し合われた。まだ、どういうテーマを打ち出すのかという点については結論が出ない。竹内謙さんはあまり急ぐことはないと言っていた。私もいくつか意見を述べたが、その中でHP作成は重要な会員獲得法でもあり、私のHPへの取り組み方と現状を話した。
とはいえ元鎌倉市長・竹内さんのリーダーシップは大したものだ。学会のトップに鎮座して、すべてを事務局に任せるというのではなく、先頭に立って指示し、意見を聞いている。事務所として古い空き家をうまく借用したり、事務局員にも有能な早大出の若者を使いこなしている。そのうえ、資金面でも多額の資金を貸し付けるという。尤もこうでなければ組織というものは発展しないものだ。
それにしても土曜日とは言え、乗降したJR鎌倉駅周辺の混雑ぶりは驚くばかりで、狭いプラットフォーム上のほとんどが観光客であろうが、そのボリュームに圧倒される。仮に鎌倉が世界遺産に登録でもされたら、それこそ現在の鎌倉駅の規模では乗客の対応に大きな問題が生じるのではないか。次の世界遺産を登録申請する前に、せめてJR鎌倉駅と駅周辺の環境整備をして世界遺産の入り口らしく、安心して利用できるものにする必要があるのではないか。