3305.2016年5月31日(火) 消費税増税が再延期に

 消費税値上げの再延期が決まった。正式には明日安倍首相から発表される。今回の消費税値上げには、安倍首相と自民党のやや異なった目論見と、自民・公明両党の思惑のずれがあった。そこへ参議院選への影響を懸念したお互いの思惑が重なるというややこしい経過の末に出された結論である。当初は異論を唱えていた麻生副総理ら自民党有力者や公明党が、今日になって一本にまとまったのは、つまるところ選挙がらみだからである。

 とにかく値上げは再び延期されることになった。2年前に最初の延期を発表した時安倍首相は増税を再び延期するようなことはないと断言するとまで言った。この断言は虚言に終わった。約束をいとも簡単に破り、来年4月の増税予定を2年半も先伸ばし、2019年10月まで現在の消費税のままとしたのである。

 今回の増税再延期には、田舎芝居染みたストーリーがあった。先日のサミットで世界経済が通常の景気循環を超えて危機に陥るリーマン・ショック級のリスクに直面しているとの安倍流講話が、他の首脳に目くらましをかませて値上げ延期への伏線を敷いた。ドイツやイギリスからは冷ややかに見られたが、安倍首相は自らの「アベノミクス論」で増税のマイナス面を強調して増税を避ける作戦に出た。こうしてもう破たんとまで言われたアベノミクス論を振りかざして増税論を彼方へ押しやったのである。

 首相の真の狙いは何だろう。消費税再延期により得られる税収4兆4千億円が、うたかたの泡となって消えてしまったのである。社会保障関係費の捻出が一層難しくなった。IMFから勧告されていた増税が、またまた先延ばしされることになり、わが国の財務当局への信頼感も薄らぐ。それでも再延期に踏み切ったのは、明らかに選挙対策である。国の財政とか、社会保障より選挙で勝ち、天下を取って政治をリードし続けたいという党利党略、私利私欲が上回ったということではないだろうか。国家のためになすべき志なんかまるで持ち合わせていないのだ。

 こういうご都合主義を繰り返していては、いつまで経っても財政状況は復興しないし、国は進歩せず国民の気持ちは安らかになれない。

 それにしてもこの間公明党という政党は、すべて自民党の言いなりである。いっそのこと自民党と合併してみてはどうだろうか。その方が創価学会も楽ではないだろうか。

2016年5月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com