今朝TBSテレビの「サンデーモーニング」で参議院議員選挙についての議論を聞いているうちに、有識者の各党当選者の予想は、自民党が勝って現在のねじれ現象を解消するとか、法案もスムーズに通るようになるというような話になった。そして、参議院の役割は良識の府として衆議院暴走の歯止めとならなければいけないと語っていたが、現在の衆参両議院の制度と在り方では、それは実際には難しいのではないかと考えている。
そもそも衆参のねじれ現象を解消するという言葉自体おかしいのではないか。ねじれだからこそ衆議院の暴走を止めることができる。これが、衆議院と参議院の議員構成が同じようになったら、二院制の意味がない。いまの参議院の存在とその在り様を大きく変えなければ、良識の府として望ましい効果を発揮できないのではないかと考えている。
そのためには、参議院の選挙制度を変えることだと思う。現在の第2衆議院のような制度を、もっと独立性の強い制度に抜本的に変えるのである。具体的には参議院では政党制度を採用しないことである。参議院には衆議院と同じ政党の存在を認めないようにすることである。現状は参議院議員が政党に所属することによって、政党の同じ政策や意見を参議院でコピー発言しているだけである。所属政党の思惑に左右され、議員個人の声が反映されず、参議院としての独立性と主体性が失われるばかりでなく、期待されている良識の府の役割を果たしていない。242人の参議院議員が政党に属することが無くなり、個人の資格で意見を述べることになれば、その時初めて衆議院から回る法案審議について良識の府らしい議論が戦わされることになると思う。
こう考えていたところ、偶然にも毎日新聞前主筆の岸井成格氏が同じような意見を述べた。時間切れでその詳細を伺うことはできなかったが、そう考えている人がいることを確信し、心強く思った。
メディアでも参議院制を機能させるための方策として、ねじれ現象を取り上げるばかりでなく、本筋論である参議院議員の政党非所属問題を取り上げて建設的な議論を戦わせ、その結果として新たな良識の府としての参議院制度を作り上げてもらいたいものである。