2248.2013年7月9日(火) 原発再稼動が現実味を帯びてきた。

 早くも参院選で自民党は圧勝を確信し、原発再稼動を推し進めようとしている。まったく地道な説得とか、安全上の懸念を払拭する努力とかには一顧だにせず、エイヤッとばかり伝家の宝刀を抜く構えである。残念ながら、すでに「原発ありき」が歩き出している。

 今日のNHK「ニュースウォッチ9」で福島県内の候補者の選挙活動を伝えていたが、自民党は原発事故で甚大な被害を蒙ったこの県で原発についてどのように訴えるのか注視していると、森雅子・少子化担当相は福島県内の原発稼動は反対だと訴えている。福島県以外の原発についてはまったく触れなかったが、他県なら党議党則に沿って賛成ということである。こういう二股膏薬は選挙民を馬鹿にしている。こんな都合のいい選挙公約があるだろうか。これでは福島県民を除く全国民ばかりでなく、ご当所の福島県民をも愚弄していると言わざるを得ない。ともかく自民党が一日も早く原発再稼動を推進したいことは明々白々である。

 今朝の朝日新聞に原発のコストが紹介されていた。原発事故の賠償や除染に5~10兆円、維持・管理費に1.4兆円、安全対策費に1.3兆円、使用済み核燃料の再処理費用が40年間で19兆円、未完成の再処理工場のため3兆円、高速増殖原型炉(もんじゅ)維持費として1日5千万円以上、税金(電源開発促進税)毎年3千億円、等である。途方もない金額である。曰く「原発コストは本当に安いのか」、高いに決まっている。これだけの費用、時間と労力をかけ、安全性に疑問のある、かつ核燃料の再処理する場所が見つからず、それでもなお原発を再稼動しようとしている。これ以上つける薬はない。

 さて、エジプトでは軍とモルシ前大統領支持派との間で衝突が起こり、軍の発砲により50人以上が死亡した。益々事態は悪化している。マンスール暫定大統領は停止されていた憲法に代る憲法宣言を発表した。年内に憲法改正のための国民投票を実施する考えで、来年初までに議会選を経て大統領選を実施する予定だという。果たしてこのスケジュール通りこの混乱を収拾できるだろうか。

2013年7月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com