2258.2013年7月19日(金) 車の街・デトロイト市が財政破綻

 昨日あるテレビ局で衝撃的ニュースを見出しだけ伝えていた。その後今日の日中はどこのテレビ局でも伝えなかったが、夕方のニュースや、夕刊で詳細がどっと伝えられ始めた。そのニュースとは、アメリカのデトロイト市が財政破綻したというのである。アメリカの自治体の破産としては、過去最大である。

 日本でも2006年に夕張市の財政が破綻した。ゼネラル・モーターズがある自動車の街として知られるデトロイトのケースは、夕張市とは桁違いの巨額の債務で、日本円にして約1兆8千億円に達するという。小さな国の年間国家予算を遥かに凌駕する。アメリカは日本と違って連邦破産法という法律があり、地方自治体などの債務整理手続きについて条項を定めている。デトロイトは裁判所の指導を得て、これから長い時間をかけて財政を建て直していかなければいけない。それに比して、日本にはアメリカの連邦破産法に当る法律はない。いま夕張市は国が定めた地方財政健全化法に基づいて、財政再生計画策定を定め、財政破綻からの一日も早い脱出を目指している。

 デトロイトには行ったことはないが、自動車産業がアメリカ産業の花形だっただけに、往時には街は繁栄し、多くの労働雇用により人口も膨れ上がり、街には活気があった。実際、ピーク時には200万人近い人口を抱えていたデトロイト市は、現在70万人規模にまで減り、市内は廃屋が増え、街灯も暗く、失業者が増加して治安も悪化し、それが人口減少を来たす悪循環となって税収も落ち込み、ついに破産という最悪の事態を迎えることになった。

 しかし、この事態をわが国も指を銜えて見ているわけにはいかない。デトロイトを他山の石として謙虚に日本の収支を見極めた、堅実な財政運営を行わなければならない。これまで度々財政再建が叫ばれながら、相変わらず大盤振る舞いをして毎年赤字財政を繰り返している。今に日本でも国家破綻とならなければ良いがと、転ばぬ先の杖を用意する必要を警告したい。

2013年7月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com