2261.2013年7月22日(月) 自民党の圧勝で、民主主義は大丈夫か。

 昨日はどこのテレビ局も参議院選挙報道一色だった。開票直後から当選者が出ていたのは、いかに速報とは言え、これは実数ではなくあくまで予想であり最近の傾向とは言いながら戸惑わざるを得ない。心配していた投票率は、大きく下がり52.61%で前回に比べて5.31%も低下した。自民党の圧勝が伝えられる中で、どうせ自民党が勝つだろうとのしらけ気分があったとも考えられるが、結局は選挙に無関心な人が増えたということだろう。

 今回はネット選挙も採用して投票率の向上を期待した。だが、結果的に国民の半数が投票所へ足を運ばなかった。この2人に1人の無関心層の行動次第では、憲法改正だってやり遂げることができるわけだから、単に投票率が下がっただけでなく極めて深刻な問題をはらんでいると思う。彼らが投票権を行使せず、権利と義務を放棄した責任は重いと断じざるを得ない。その意味では民主主義の危機と受け取ることだってできる。メディアも今後投票率低下について原因なり、向上のための対策などを追って、時折経過を報告して欲しいと思う。そして、次回選挙で棄権が減少することを願っている。

 さて、投票の結果は予想通り自民党の圧勝だった。その一方で対立軸にあった民主党は見る影もなく惨敗を喫した。他の野党に浮き沈みはあっても、相対的には自民党の1人勝ちと言える。この圧勝の結果を踏まえて、選挙活動では「ねじれ解消」だけを言い続けて「選挙公約」のトップに掲げて訴えていた自民党は、勝つや法衣を脱ぎ捨て、鎧姿で出陣と相成った。

 今夜NHKの各党代表者が出席した特別番組「討論スペシャル」で、石破茂・自民党幹事長がついに本音を語り出し、ねじれは手段であって、目標は経済であり、外交であり、TPPであり・・・と話したが、早くも鎧姿となって話している。それなら選挙運動中にそう言うべきだった。ひたすらねじれのマイナスを語らず、ただ「にじれ解消」を声高に叫び続け、吹き続ける強風を避け、ひたすら耳に栓をしていた。こういうずるい戦法もあることを知った。言うなれば国民を騙してねじれを解消したことになる。

 ねじれ解消には別の視点から問題がある。今回の選挙で自民が大勝したことによるねじれの解消は、参議院の勢力分野が衆議院と似てきたことであり、良識の府として独立的な存在であった立法府が2院制の意義を失うことであり、同時に参議院が第二衆議院化することでもある。これでは、参議院自体の存在価値がないと考えている。いまや現行の参議院制度について検討すべき時に来ていると思う。

 われわれが最も注視し警戒しなければならないのは、今後3年間は国政選挙がないとされる中で、大勝に慢心した自民党が1強体制に胡坐をかくことである。国民は必ずしも安倍政権にフリーハンドを与えたわけではない。

 元々憲法改正論者の安倍晋三首相は、選挙期間中は改憲について慎重な発言を繰り返していたが、最後の日の街頭演説では、誇りある国を作っていくためにも憲法を変えようとぶった。これも法衣から鎧姿への変身である。近い内に改憲に向けて動き出すことは間違いないと思う。すでに、自民、公明、維新、みんなの党を合わせると発議に必要な3分の2を超える議席を獲得した。右傾化した安倍政権の対中、対韓外交も気になるところである。

 最大の関心事はエネルギー政策である。将来的には、原発比率を減らしていくと言っているが、本音は原発再稼動にあることは明らかである。福島第一原発がまだ完全に収束したわけでもないのに、各電力会社は続々と安全審査を申請している。自民党は安全が確認されれば、再稼動を容認するとのスタンスを崩していない。福島は収束処理できず、使用済み核燃料処分は宙に浮いたままで、問題を先送りしつつ見切り発車する自民党のエネルギー政策をこのまま見過ごしても良いものだろうか。また、自民党の地すべり的勝利で民主主義は果たして大丈夫だろうか。

 将来へ多くの課題を残した参議院選挙である。

2013年7月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com