6097.2024年5月1日(水) 日米学生の意識と行動力の大きな違い

 5年前の今日、天皇が即位され年号が平成から令和に変わった。上皇が退位されたことによって皇太子が天皇を継いだのは、202年ぶりということである。天皇は即位されたが、不運にもコロナ禍となり国民の前にお姿を現すことはなく、国民と直に話し合うことが出来なかった。漸く昨年国体開会式に出席され国民の前に出られたが、これからと言う時に、元旦早々能登半島地震により、また出鼻を挫かれてしまった。それでもその後2度も皇后ともども能登へ被災した人びとをお見舞いに出かけられた。天皇、皇后両陛下には、国民に寄り添う気持ちが表れて国民としては嬉しいことである。

 天皇即位の日である一方で、今日は労働者の祭典・メーデーでもある。大分古い事件だが、1952年の今日、皇居外苑でデモ隊と警察隊が衝突した騒乱事件が起きた。戦後の学生運動で初の死者を出した痛ましい1日でもある。当時は、まだ中学生だったが、強く印象に残っている。

 ついては、このところイスラエルによるパレスチナ・ガザ地区への攻撃が激しさを加え、各国が停戦を求めているが、イスラエルは攻撃を停める様子もなく、子どもを主に多くの犠牲者が生まれている。政府間の交渉が一向に進まない時に、アメリカでは多くの大学でイスラエルによるガザ地区攻撃に反対するデモが発生し、この数日は、コロンビア、イェール、ハーバート、マサチューセッツ工科大などの名門大学構内で激しいデモが起き、警察隊が構内で合わせて約9百人もの学生を拘束した。コロンビア大学では、学生らがテントを持ち込み、キャンパスを占拠した。これに対して大学側が警察隊を導入して強制排除に乗り出し、デモ参加者100人以上を逮捕した。ユダヤ系団体から支援が多い共和党の下院議長は、コロンビア大学学長の辞任を求めるほどの混乱ぶりである。

 元来ユダヤ系学生が比較的多いアメリカの大学では、ややイスラエル寄りの学生が多いが、反イスラエル・デモがこれほど大掛かりに行われるというのは、イスラエルの残虐な行為が学生たちにとって、とても許せないと思われたからである。

 このように反民主主義的で抑圧的、かつ非人道的なイスラエル政府の行動に対して、強く反対行動に参加するアメリカの大学生たちの正義感に比べて、残念ながら日本の大学生たちは声を潜めて、まったく行動しようとしない点が情けなく、不満が残る。どうして今の日本人学生は、反民主的、非人道的な現象に対して行動しようとしないのだろうか。甘やかされ過ぎたせいだろうか。我々60年安保世代にとっては、不審感とともに少々苛立たしく感じている。

 さて、外国為替の現在の円安についてちょっと触れておきたい。今年に入ってから外国為替市場で円安が進み、ついに1㌦=160円台にまでなった。この間政府、日銀は為替の動向を慎重に注視したいと決まり文句だけで、何ら円安対策を講じる動きを見せなかった。鈴木俊一・財務大臣も植田和男・日本銀行総裁も、目の前で円安が進んでいる状況を眺めながら一向に解消のために手を打とうとしない。そこへこの2,3日神田財務官がカメラの前に顔を出したので、代わりに何か方策を語るのかと思いきや、「過度な変動が投機によって発生すると、国民生活に悪影響を与える」とノーコメントだった。実は、先月29日に一時160円台に達したが、その後急速に円買いの動きがあり、1㌦=154円台まで急騰した。メディアの方がすでに気が付いていて、約5兆円の円買い介入が行われたと報じた。これまでの政府、日銀の円買い介入は、2022年10月に実施された5兆6千億円が最大である。5兆円と言えば、今年度の一般会計歳出予算額112兆円の4.5%に当たり、文教費及び科学振興費の5.5兆円とほぼ同額である。仮に為替への介入が、これほど高額の税が使われるのなら、これを黙っている鈴木財務相ら関係者と岸田首相ら政府要人の国民を軽視する姿勢には、我慢ならない。

 アメリカでは、金利を下げる考えが首をもたげていたが、日本の為替介入を知り、当分金利下げの空気は薄くなるだろう。それにしても、これまで為替相場を注視するとの一点張りだった鈴木財務相は、この期に及んで発言もしなくなってしまった。財務相としての責任を果たそうとしていない。岸田首相は速やかに仕事をしない鈴木財務相を更迭すべきである。

2024年5月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com