一昨日新聞広告の「スクープ、大逆転!2020年オリンピック 東京に内定」のセンセーショナルな週刊誌の見出しにはびっくりした。オリンピックの内定なんてわかる筈がないではないか。どういう理由、根拠で内定なのか、気になってそのいわくつきの週刊誌「週刊現代」8月17・24日合併号を読んでみた。
何のことはない。内定の根拠なんて何ひとつ書かれていない。東京に決定したら経済波及効果が大きいとか、外国人観光客が増えるとか、道路インフラ工事で公共工事が増えるとか、日経平均株価が2万円台に達するとか、はてはアベノミクスの成長戦略効果だとか、決定したらこうなると書きたい放題なのである。こういうガセネタで買わせようという意地汚い出版社の魂胆がありありである。
そもそも「招致活動の詳細を知る関係者の間では、東京開催はすでに揺るぎない事実になっている」という書き出しからして東京オリンピックありきなのである。後は、これにオリンピック景気を煽る記事をくっつけているだけである。
こういう好い加減な記事でオリンピック・ムードを煽っておいて、反って外国のオリンピック委員の心証を害する恐れはないのか。日本オリンピック委員会(JOC)は、このガセネタ記事をこのまま見過ごすのだろうか。結果的に東京に開催地が決まるということはあり得るが、仮にそうなったとしてもこの「週刊現代」と連動しているわけではない。「週刊現代」は記事が書けないからといって、よくも思いつきだけで勝手に大きなアドバルーンを上げるものだ。実際他の競合週刊誌には、オリンピック関連の記事は何ひとつ掲載されていない。
近年この週刊誌を発行している講談社の凋落ぶりはすさまじい。いつかラガーマン著書の帯文の目立つ箇所に「ラガーマン」と書くべきところを「ラガー」と書かれていたので、電話で間違いだと指摘したところ、編集副部長と名乗る人物が言い訳と屁理屈ばかり述べ、そのうえ傲慢な口調でまったく謙虚さとか反省の言葉がなかった。親切にアドバイスをしてあげたつもりだったが、天下の講談社はそれを素直に受け取らないのだ。野間省三の講談社も野間家3代目ともなると落ちたものだ。
読者を舐め切っている。これでは本も売れなくなるわけだ。