財務省が今日国の借金がついに1千兆円を突破したと発表した。これまで増える国の借金について度々警鐘が鳴らされ、その都度政府、財務省は財政再建を声高に叫んでいたが、実際にそれが実行されることはなく、借金は増える一方でついに心配していた大台に達した。
国の借金と一口に言っても、国債、借入金、そして政府短期証券を合計した借金残高であるが、先進国でも飛びぬけて巨額の借金は国際社会からも警戒され、IMFも財政再建の必要性を日本政府に度々伝えていた。しかし、政府は口ではその重要性を認識していると言いながらも、財政再建を現実的に実行したケースは稀で、問題は先送りされるばかりで借金は雪だるま式に増えていった。
そして財政不安はついに現実のものとなった。次の世代に重荷となる借金財政を解消するために今の政治家はまったくやる気がないのだ。折りも折り今消費税値上げをどうするのか、最近になってはっきりしなくなった。国民としては負担が増えることであり、決して全面的に賛同するものではない。だが、ことここに至っては予定通り来年4月に3%、10月に2%分を既定方針通り値上げせざるを得ないのではないだろうか。
その一方で当然経費の抑制を行うべきである。これが思うようにできない。それは政治家たちのエゴと私利私欲のために財政資金の歳出を抑えきれず大盤振る舞いを許してしまうからである。直近では、それほど急ぐ必要のない高速道路の新規建設工事を行うために、国土強靭化計画と称して多額の資金を道路建設に注ぎ込もうとしている。なぜか? 道路の建設が彼らが国会議員になるための得票につながるからである。事ほど左様に国会議員という職業は、国のために働くのではなく、自分自身と地域のためにだけ働く人たちの職場なのである。
さて、今日は6日の広島に次いで長崎の原爆の日である。平和祈念式典では6日の松井一実・広島市長と同様に、田上富久市長が平和宣言を述べた。その内容は広島市長のそれとほぼ同じである。4月にジュネーブで核兵器の非人道性を訴える共同声明に日本政府が賛同しなかったことを、田上市長は批判した。広島、長崎の原爆両被爆地自治体の首長から核反対に対する行動が水を射されたと非難されたことは、総理大臣として出席していた安倍晋三氏にとって恥辱であり、マナ板の鯉だったのではないか。安倍首相は口先ばかりでなく、本音で平和のためにもっと核不拡散に真剣に取り組んでもらいたいものである。