6069.2024年4月3日(水) 川勝平太静岡県知事、唐突に辞意表明

 昨夕川勝平太・静岡県知事の突然の辞任表明には些か驚いた。かねがね失言の多い知事と承知していたが、辞任を決断した直接の原因は、1日に県庁で行われた入庁式で新規採用職員に向けた訓示の際、知事の口を突いて出た不見識な職業の差別観に批判が集中したからである。新人職員を前に、「県庁はシンクタンクであり、野菜を売ったり、牛の世話をしたり、モノを作ったりするのとは違って、皆さんは頭脳、知性の高い人であり、それを磨く必要がある」と発言して批判を浴びたのだった。こんな物言いでは、職業差別もさることながら、若い職員に役人として思い上がりを増長させるのではないか。知事の世間知らずには呆れるばかりである。県庁へは「農業や畜産に携わる人は知性が低いというのか」と電話やメールなどで抗議や苦情が寄せられた。知事には過去の放言や失言暦もあり、またか、というのが一般人の受け止め方である。

 すると昨日になって記者団の取材の場で、突然「6月の県議会を以て職を辞す」と知事辞任の意向を表明したのである。15年も務めた知事という要職を任期途中で簡単に放り出す無責任と非誠実さにも、これが大学教授だった人かと不審感を覚える。

 川勝知事は、これまで物議を醸す発言を乱発している。県内の自治体の優劣を比較するように「磐田は浜松より文化的」とか、「浜松市は80万都市で遠州の中心であるが、御殿場市は8万の人口で、コシヒカリしかない」と理不尽な発言をして非難され、給与と期末手当を返上し、生まれ変わると富士山に誓ったと述べていた。これらの暴言に対しては、県議会が知事の辞職勧告決議案を賛成多数で可決し、御殿場市民の知事辞職を求める請願も可決された。知事としての資質を欠いていると言われながらもそれらの決議には法的拘束力はなく、川勝知事は辞職しなかった。

 JR東海が2027年度までに開通を計画していたリニア中央新幹線も県内のトンネル工事の湧水問題でJRと静岡県との話し合いが進まず、先日JR東海はそのプロジェクトを延期せざるを得なくなった。

 川勝知事は早大教授時代からしばしば問題を起こしており、学者としても政治家としても実績よりも不用意な言動が目立ち、考えてみれば、昨日の辞職会見もなるべくしてなったということではないだろうか。それにしても知事に対する県民の声は、厳しかった。4回も知事選挙で勝ったということは、シンクタンクである静岡県庁と県民ともに知事としての素養を彼らが見抜けなかったほど頭脳と知性が低かったということになるのだろうか。

 今日午後3時半から県庁で記者会見し、冒頭に発言の中に人々の心を傷つけることがあったとすれば、謝罪したいと述べつつも発言は撤回しないと語った。この点とリニア中央新幹線の開業が延期になったことを辞任の理由に挙げた。

 さて、今年元旦に能登半島地震が起きて3か月が経ったばかりで、未だに8千名をこえる人々が避難生活を送っている。その最中の今朝9時前に台湾・花蓮でM7.7の大きな地震が発生した。最大震度6強だった。10階建てのビルをはじめ、多くの建物が崩壊した。そして9時1分には沖縄地方に津波警報が発表され、10時40分に津波注意報に切り替えられた。テレビではNHKをはじめ、各局が一斉に津波情報を伝えた。昼前には警報は解除されたが、台湾と日本とは目と鼻の先であり、その影響はお互いにすぐ現れる。地震王国日本としても国内ばかりでなく、近隣諸国の地震情報にも警戒が欠かせない。

2024年4月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com