6068.2024年4月2日(火) 人手不足で「2024年問題」はどうなる?

 今取り沙汰されている「2024年問題」の中でも、とりわけ物流や運送業界の問題が大きく注目されている。働き方改革法案によりドライバーの労働時間に上限が設けられて生じる問題である。ドライバーの時間外労働時間が年間960時間以内に制限されることで、1人当たりの走行距離が短くなり、長距離輸送が難しくなると心配されている。加えて、物流・運送業界の売り上げ減少、及びドライバーの収入の減少も懸念されている。これまで長期間ドライバーを酷使し看過してきたツケが最近になって深刻になったということである。これによりドライバーの労働時間が短くなり、輸送力が不足し、物が運べなくなる事態も可能性として考えられている。

 そもそも今年度この問題が浮上したのは、5年前の2019年4月に施行された労働者の時間外労働に関する規制で、例外的に物流、運送、建設、医療業界については、5年間の猶予期間が設けられた。その猶予期間が切れたので、今年度から上記業界に規制が課されることになった。問題は、経済発展に伴う規制により人員不足が深刻になり、人員の確保が一層難しくなることである。特に、物流、運送業界ではこのままの状態だと営業用トラックの輸送能力が今年度は14.2%、30年には34.1%も不足すると試算されている。根本的な原因は、荷物量が近年大幅に増えたことがある。また、折角届けても届け先が留守で、再配送するという二重手間も大きなロスと考えられている。どういう解決法を探るのだろうか。いずれにしろ基本的にドライバーの数が足りないという問題を解消しなければ、根本的には解決されない。

 ところで、大分古い話になるが、大学を卒業して小田急電鉄へ入社し、見習い駅員として新原町田(現町田)駅勤務の2年目に入って直ぐ1964年の今日、町田市内の商店街に米軍戦闘機が墜落し4人が死亡した。その日は前日朝からの24時間勤務を終えて朝9時過ぎに職場を去り、夕方テレビでこの驚愕の惨事を知った。私から駅務を引き継いだ同期入社の友人が駅勤務中に爆発音を聞いたり、慌ただしいその日の様子を翌日出社した時に話してくれた。翌日出勤した際にも、駅周辺には警察官が随分警戒していたものだ。早いものであれからもう40年になる。昨年11月に屋久島沖合で墜落した米空軍輸送ヘリ・オスプレイが、この3月には一方的に飛行を再開した。航空機が人家の上空を飛行するのは、怖いものである。

 さて、2つの国家の指導者の存在が問われている。ひとつは、イスラエルのネタニヤフ首相のリーダーシップに反対する国民のデモが、国内で広がっている。昨年10月のハマスによる攻撃以前から、国内ではその有無を言わせないネタニヤフ首相の強硬なやり方に国民の不満が溜まっていた。それでもハマスへの反撃の際には、表面的に国民の不満は埋もれていた。だが、最近のガザ地区へのイスラエル軍の再三の攻撃には、ハマスに人質として家族を奪われた人たちを主に不満が噴出している。デモは首都テルアビブをはじめ国内に広く広がっている。人道面で国連からもイスラエルに対して、休戦を度々要請しているが、イスラエル政府は耳を貸さず熾烈な攻撃を加えている。ついに支援国アメリカのウォルバーグ下院議員に馬鹿げた発言をさせるほどの無慈悲さである。下院議員は悪乗りして、「ガザ地区にハマス打倒のために長崎や広島と同じく原爆を投下すべきである」と驚愕的で非常識な発言を行う有様である。

 また、もうひとつとは、これまで絶対的権力を行使していたトルコのエルドアン大統領の権威に陰りが見えたことである。このほど行われたトルコ統一地方選挙で、最大都市イスタンブール市長選、首都アンカラ市長選、及び多くの市長選においてエルドアン大統領と与党公正発展党(AKP)が推した候補者が相次いで敗れ大きな打撃を受けた。20年以上に亘って政権運営を任ってきたエルドアン氏とAKPにとっては最悪の結果となった。 ウクライナ戦争では、ウクライナとロシアの間の介在役を買って出て国際的な存在感を示そうともしたが、思うようには行かなかった。しかし、その存在感は中東諸国の間では一頭地を抜いていた。結論から言えば、独裁者的な指導力では、最早国民が納得しないということでもある。先般圧勝したプーチン大統領も、国民に圧力を押し付けるような戦い方では、遠い先の話かも知れないが、恐らくプーチンも人びとから排斥デモによって追われるか、存在を忘れられることだろう。

2024年4月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com