6067.2024年4月1日(月) エイプリル・フールに朝日新連載小説

 一昨年8月以来朝日朝刊に連載していた直木賞作家で、時代小説家の今村祥吾の「人よ、花よ、」が延々576回の連載を昨日で終わり、今日から推理小説家の湊かなえの「G線上のアリア」が始まった。今村の小説は、南北朝時代の楠木正成死後の息子正行(小説では通称「多聞丸」)が、父正成そっくりの考え方、戦法で戦国の世を生きる。楠木軍を最後まで守り南北両朝の間で正行の気持ちは揺れながらも、後村上天皇への忠誠の故に南朝に組して高師直との闘いに向かう途上で長編小説は終わる。

 若いころは興味を抱いて読んでいた新聞連載小説だったが、近年興味が薄れてきた。一口に言えば、最近の新聞連載小説は、概して「意味不明でストーリーが分かり難く面白くない」に尽きる。そのことを2022年8月16日付のブログ上に「つまらない新聞連載小説」と書いた。すると結構大きな反響があって、Googleが毎月送ってくれる私のブログの中のアクセス・ランキングに、直ちにそのブログが1位にランクされ、以後今年1月までほぼ毎月のように1年半に亘って1位か2位にランクされるようになった。その内容は、今村作品以前の連載、ドイツ在住の芥川賞作家・多和田葉子の「白鶴亮翅(はっかくりょうし)」があまりにもつまらなく、内容も意味不明でどうして朝日がこのような小説を掲載するに至ったのかまったく理解出来ず、ブログに批判的に取り上げたものである。同じ考えの読者がよほど多かったものと思える。その直後に多和田はこの連載を100回も行かずに打ち切った。

 はっきり言って、昨日まで連載の「人よ、花よ、」は時代小説で登場人物は楠木正成・正行父子である。筋書きは単純そうでありながら、登場人物名、地名、地位名などがやや複雑で、難しい漢字にフリガナを付けているが、中々読み難い。「白鶴亮翅」ほどのことはないが、やはり今どきの新聞小説なのかなと考えながら読み続けた。

 今日から始まった湊かなえの「G線上のアリア」は著者によれば、介護をテーマにしたサスペンス・ミステリーとのことであるが、題名がかのバッハの名曲と同じで、曲自体は素晴らしいメロディーで、黙って聴いていたくなる曲である。果たして名曲と施設の介護がうまくマッチングした名作となるであろうか。新聞小説にしては挿絵がないのも珍しい。半信半疑の気持ちに期待を込めて明日からの続きを待ちたいと思う。小説の世界ならフィクションで済むが、現実にノン・フィクション的な言動が成され、それが好ましくないものだとするなら、やはり言うべきは言わなければならないと思う。

 さて、このところ11月のアメリカ大統領選を意識したのか、トランプ前大統領の言動が些か過剰に取り沙汰されている。そのひとつに、トランプ政権時代にホワイトハウス秘書室長を務めていたジョン・ケリー氏が暴露した記事がある。トランプ氏がアドルフ・ヒットラーを「良いことをした」、北朝鮮の金正恩・総書記を「OKガイ」、そしてあのロシアのプーチン大統領ら独裁者を称賛する発言を度々していたと驚くような内容暴露である。

 この他にもトランプ氏自身が、走るトラックの後部にバイデン大統領が手足を縛られ拉致されるような写真を張り付けた演出をネットに投稿した。泥仕合もここまでエスカレートすると大統領選の品位を疑いたくなる。半面アメリカ人の好ましからざる品格、常識がこの選挙戦により益々明確に露呈される。

2024年4月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com