6066.2024年3月31日(日) 4月以降年金支給増額は、実質減額の巧妙な罠

 今日で2023年度と卒業式シーズンの弥生3月は終わる。東京都内の最高気温は、今年最高の28.1℃だった。これまでの最高は11年前の25.3℃だった。今日の気温は何と7月上旬の気温だそうだ。明日4月1日から平成6(2024)年度がスタートする。4月は入学のシーズンでもある。思い起こせば、今から70年前に中学校を卒業して高校へ入学した。そして、高校卒業後2年間の浪人期間を経て大学生となり、1963年大学卒業と同時に、鉄道会社へ就職し、その後旅行会社へ出向して64歳で40年間のサラリーマン生活も卒業した。爾来自由気ままに文筆に手を染めながら肩の凝らない第2の人生を送っている。

 中学生までは親の言いつけのままに自分の意思や個性をあまり強く表すこともなく生きてきた。自分の意思と希望を試し出したのは、高校へ入学してラグビー部に入部してからである。弱かったラグビー部ではあったが、3年生時に主将を務め、それがその後の社会生活でも大分生かされることがある。大学では60年安保反対闘争に参加しながら、山岳同好会アルペンクラブで4年間北アルプスを主に登山に明け暮れた。そして大学3年になって経済学部の飯田鼎教授のゼミに加入して、初めて社会主義思想を真剣に勉学するようになった。卒論は未熟な「河上肇論」を書いた。爾来ゼミの仲間との交流は今も続いている。会社でも山岳部に入り仕事の傍ら社会問題にも強い関心を持つ一方で、海外への個性的な旅で臨場感を身に付け生活面においてもメリハリをつけるようになった。それを会社の内外で続け充実した生活と仕事をこなすことが出来た。そしてそれはやや減速してはいるが、今日もまだ続いていると言える。

 ついては、春はセンバツからと言われるように、今春の第100回選抜高校野球は今日阪神甲子園球場で決勝戦が行われ、群馬県の高崎健康福祉大学高崎高校が、昨春の準優勝校兵庫県の報徳学園を3x-2で破り、群馬県勢として初めてのセンバツ優勝を果たした。

 さて、「週刊ポスト」4月5日号特集記事に取り上げられている年金減額問題に興味を惹かれた。「4月から年金減額!」との見出しで、表面的には年金支給額は増えるが、実質的には減額であると書かれている。今年の春闘の「賃上げ」回答と金融緩和の「利上げ」の陰で、それらの上昇%分以下の年金の定期的引き上げが行われており、それは実質的な年金減額になると指摘しているのだ。厚労省は4月から厚生年金を夫婦2人の標準世帯で年金改定率2.7%に則り月額6,001円引き上げる。これは見かけ上は大分上がったように思える。しかし、平均物価上昇率3.2%を超える月額支給額(7,183円)でなければ、生活は苦しくなる。月額で1,182円不足ということになる。

 岸田首相は、春闘が決着した際「力強い賃上げの流れが出来ている」と述べて、マイナス金利からの転換を決め、日経平均株価が史上最高値の4万円を超えたことに対して、植田和男日銀総裁が「賃金と物価の好循環の強まりが確認されている」と国民目線とは離れたコメントを述べていた。前記の国民の受給額の減少には、目を向けず実質的には政府が考えていた、物価と名目賃金が大きく上昇するタイミングを捉えて闇間に年金の支給率を大胆に減額した。国民は「年金の罠」に嵌ったようなものである。

 所詮国民の懐具合などに無関心な国会議員には、自分たちが作った法律であっても実感としては分からないだろうし、理解しようともしないだろう。見かけ上は年金が増えても実質的には減額となる現実を、何とか彼ら全員に知ってもらう方法は考えられないのだろうか。さもなければ、同じような年金減額は毎年のように繰り返されることになるだろう。

2024年3月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com