6060.2024年3月25日(月) トランプ氏の資産差し押さえと水原通訳の違法賭博

 今年11月予定のアメリカ大統領選の共和党候補者・トランプ前大統領が人気を取り返し、今では当面の相手である民主党候補者のバイデン大統領を上回っているとの評判である。ただ、この御仁はとかく個人行動で世間を騒がせる性癖があり、いくつも訴追されその対応にあたふたしているところがある。中でも選挙に際して一番厳しいのは、2021年1月に連邦議会襲撃事件を起こしたトランプ支持群衆の背後でトランプ氏が糸を引いていたと訴えられたことである。その上に2月に民事訴訟で700億円超の巨額賠償を命じられたことである。これには、流石に資産家であるトランプ氏も窮地に追い詰められている。その原因は所有する不動産の価値を高く見せることで不正に融資を受けたと見做されたからである。支払いを命じた判決後から利息が生じて1日ごとに利息1,600万円が出ていくというから凄まじい。資産家のトランプ氏にとっても手元資金からこれほどの支払いをするのは、並大抵ではない。今日25日までに資金が用意できない場合は、トランプ氏の資産差し押さえに動く可能性もある。平素から金融界における信用が充分でないのか、支払いを保証する保証会社を探し求めているが、30社以上から断られたという。トランプ氏の得意技は、これまで自身や資産保有会社を破産させることで、それによって資産の差し押さえを一時的に止められるという窮余の一手である。

 世界最大の国家であるアメリカ合衆国の大統領を狙う人物がこの有様とは、とても理解出来ないし、アメリカと言う国もよく分からない。トランプ氏は自分に対する厳しい批判などは、事あるごとに政治的迫害と呼び、選挙妨害と非難しているが、常識的なアメリカ人は本当のところトランプ氏の言動をどう思っているのだろうか、知りたいものである。

 さて、これもアメリカのメジャーリーグ(MLB)の試合外で起きたことだが、ドジャースのスーパースター大谷翔平選手の通訳を務めていた水原一平氏の違法賭博=解雇が大きな話題となり、それはアメリカばかりか日本でも大分注目を集めている。大谷選手への期待が大きい選手であるだけに、彼の近くで一番親しくしていた水原氏が違法行為を行っていたことにショック、同情、批判が渦巻いている。そもそも水原氏が違法賭博を行っていたことに大谷選手本人はもちろん周囲の人も驚いている。水原氏がのめり込んだスポーツ賭博は、全米50州すべてにおいて違法と見られているわけではない。ただ、ドジャースが本拠地とするカリフォルニア州は法律で禁じられている。そんな最中に水原氏がひとりでスポーツ専門チャンネルの要請に応じて90分間もの取材を受けたことが話題を呼んでいる。そしてその翌日にはその内容を否定したことも話題となっている。AP通信ではアメリカ野球界最大級の賭博スキャンダルに発展するかも知れないと報道した。何せ水原氏が大谷選手の口座から賭けの元締めに振り込んだ金額が、断片的に6億8千万円というのだから驚くばかりである。

 大谷選手がアメリカでも有名な野球選手になったが故に、アメリカのメディアでも大きく報道しているようだ。しかし、気の毒なのは大谷選手である。知らないところで横領事件が起き、自身は資金を支払わされ、挙句に違法を承知で通訳にその金を提供していたということになると、大谷選手自身も違法賭博に関係したと見られ、下手をすると社会的に、またはMLBから処分を受けることになる。

 それにしても大谷選手は人柄の良さもあってか、少々水原氏に甘かったのではないかと言う気がしている。もう少し水原氏に言うべきことや、成すべきことをきちんと指示すべきだったと思う。水原氏には学歴詐称もあったようだ。シーズンも始まったことでもあり、1日も早く問題が解決してすっきりとプレイに専念出来ることを願っている。

 仮にスポーツ賭博が全米で許可されていたら、水原氏はこのまま賭博に熱中して大谷選手から更に多額の資金を掠め取り、一方大谷選手はこんなに騒がれることもなくプレイに専念出来たことだろうか。アメリカが各州で独自の権限も有していることがどうも事態を複雑にしているようなところもある。賭博なんて違法とすべきだろう。はっきり言ってまだ全容解明に至っていないので、よく分からないというのが本当のところである。

2024年3月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com