6059.2024年3月24日(日) 平幕尊富士、110年ぶりの新入幕優勝

 今日大相撲春場所は千秋楽を迎え、前頭17枚目の幕尻・尊富士が新入幕力士として110年ぶりの優勝を13勝2敗の成績で成し遂げた。しかも昨日負けた際に負傷して救急車で運ばれた危機的な状況にあったために、今日千秋楽の出場が危ぶまれていた。それでも兄弟子・横綱照ノ富士に励まされ強気にも出場し、相手力士の豪の山を積極的に攻めて完勝した。気持ちの良い勝ちっぷりで、上位陣がパッとしない中で土俵を締めてくれたと思う。大学出の力士は幕下付け出しが一般的であるが、尊富士は大学卆でありながらどういう事情か中高卆者と同様に前相撲から勝ち上がり、今場所デビュー10場所目の優勝となった。これも1909(明治42)年に優勝制度が出来て以来史上最速で、今までの両国関の11場所を破る快挙だった。おまけに殊勲賞、技能賞、敢闘賞の3賞まで独占受賞した。

 春場所は普段から「荒れる春場所」と言われるように、とかく大波乱が起きる場所が多い。振り返って70年前に京都市内の中学校を卒業したが、父親の転勤に伴いすぐ藤沢市へ転居することになったので、同級生らと最後の楽しみとして春場所千秋楽を観戦に大阪府立体育会館へ行った。大関三根山が優勝し、打ち出し後の優勝パレードで三根山と握手したことをよく覚えている。 

 そんな春場所のジンクス通り、先場所優勝した横綱照ノ富士が途中休場し、大関霧島は5勝しか出来ず負け越す有様で、大関も4人の内貴景勝が8勝で休場する結果となった。大関4人で35勝24敗1休である。それにしても尊富士の優勝はその相撲ぶりを含めて実に爽快感がある。久しぶりに好ましい力士が現れたものである。来場所以降も活躍を期待したいと思う。

 さて、ウクライナへの侵攻と大統領選挙の大きな話題により、ロシアへ世界中の目が向いていた一昨日夜、首都モスクワ郊外のコンサートホールに侵入した過激派組織イスラム国(IS)のテロ組織が銃を乱射し、建物内に火災が発生し、133人が死亡した。

 この直前に大統領選の圧勝を国民にPRするために、プーチン大統領は周囲を若い男女に囲まれてテレビに登場し、ロシアは一つだなどと選挙の完勝と自らの専権政治について力説していた。ISによる襲撃はそれから間もなく実行された。プーチンは昨夜国営テレビでこれは野蛮なテロだと非難し、実行犯4人を含む11人の容疑者を拘束し、全員を処罰すると述べた。そのうえで、彼らがウクライナ方面へ移動したことを口実に、容疑者らとウクライナ政府による協力の可能性を示唆した。当然ウクライナ政府は否定し、ゼレンスキー大統領は、ロシアは常套手段でいつもウクライナへ不利な行為をなすりつけようとすると激しく非難した。

 しかし、この劇場襲撃事件には、不思議なことがある。事前にこの情報をCIAを通じてキャッチしたアメリカ政府が、ロシア在住アメリカ国民に対して注意を呼び掛け、ロシア政府にも事前に情報を伝えていたことを明らかにした。これだけの情報を入手したロシアがどうして十分な対策と防備を怠っていたのか、どうも理解に苦しむ。

 それでもプーチン大統領は大統領選で圧勝したことを受けて、今後益々強気な政治を行うことであろう。この様子だと世界に安定した平和な時代が訪れることは当分期待出来ないのではないかと憂鬱になる。

2024年3月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com