6049.2024年3月14日(木) ダメ3題=大学経営・中米諸国・国会議員

 日本大学アメフト部の再三のスキャンダルと大学当局の内部対立の影響のせいか、今春の日大入学希望者が激減したことは、去る5日の本ブログにも書いたところだが、その日大が穴埋めをしようと最初に3万5千円の受験料を払えば、2回目以降の試験では半額以下の1万5千円に受験料を割り引くという奇策を導入した。残念ながらそれは大学の思惑通りには行かなかった。首都圏の私立大学の受験料は、大体3万5千円が相場であるが、この思い切ったディスカウントは他大学の今春の値引きプランに刺激を受けたようだ。そもそもこのディスカウント制の口火を切ったのは、拓殖大学である。いくつの学科に応募しても一律1万円の大安売りである。そのせいか志願者数が急増したという。武蔵野大学も3万5千円の相場を無視して受験料1万円に値下げしたところ、何と受験者が対前年67%も増加したというから、その効果は絶大である。当然大学間に衝撃が走った。

 しかし、大学の大きな歳入源である入学試験受験料の値下げは、受験者数が増えたからと言って財政的には決してプラスになるものではない。安易で無責任な対策は、いずれ受験生の草刈り場となり消耗戦となって大学を淘汰する可能性があると思う。それにしても大学を管理・監督する立場の文部科学省は、一体この不条理なディスカウント戦争を黙って見ているだけなのだろうか。何らの反応も対策もないのは文部行政としては、怠惰であり手抜きではないだろうか。

 さて、聊か治安の面で心配になる話題は、カリブ海沿岸、及び中米の国々である。いずこも治安の悪化により、殺人事件が頻発するカリブ海の国の中で最近びっくりするような騒ぎがあった。去る2日にハイチでギャングが集団で刑務所を襲撃し、所内に収監されていた囚人約4千人が脱獄したのである。国内の治安は悪化するばかりで、ギャング団の首領から辞任を迫られていたアンリ首相が何と脅しに屈服して辞任を表明した。悪に屈した何とも危なっかしい事件であり、国家が悪党どもに支配され、それを止められない状況というのはどうして発生するようになったのだろうか。そのアンリ首相は偶々プエルトリコを訪問中だったが、空港が閉鎖され、帰国もままならなくなったという。

 実は2021年に当時の大統領が武装グループに襲われ殺害され、生前指名されていたアンリ氏が首相に就任した経緯がある。そのアンリ首相は辞任したが、後任が決まらないようでは国は一体誰が運営していくのか。ギャングの中には3人のボスがいるようだが、逃走した囚人たちは街にいるわけである。それぞれいわくつきの前科者である彼らが、国家、国民のために身を投げうって国の治安維持回復に務めるとは到底思えない。

 ハイチの悪化した治安情勢に対応すべくカリブ海の周辺諸国の間で対応を協議したようだが、他の国々もそれぞれ国内に同じような不安要素を抱えており、赤道直下のエクアドルでは、昨年から特に治安が悪化して、現職の市長など要人が相次いで殺害され、8月には大統領選に立候補を表明した有力国会議員が武装グループから狙撃され殺害された。

 その一方で、世界で最も治安が悪いといわれたエルサルバドルが、この数年ですっかり治安が安定してきたと言われている。2019年にギャングからまともな政治を取り戻したのが、42歳のブケレ大統領である。今ではギャング同士の争いも影を潜め、今月実施された大統領選では、8割強の票と議席を獲得した。

 始終政治的、社会的な問題でトラブルが絶えず、通常治安が安定しない中米諸国の中でも安定、不安定の2極化が目立つ。我々もこういう状況を良く見て、日本の政治家のことを考えるべきである。国の安定した基盤に乗って、気楽な政治活動しかせず、違法に近い手段で現金を手に入れ、政治家と言う看板だけであぶく銭を入手して、反省もなくウソをつき、税金も払わず、好き放題に明け暮れている日本の国会議員ほど国民を愚弄した気楽なものはない。国民による減点制により、不適格な国会議員を辞めさせるようにしてはどうだろうか。

2024年3月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com