6046.2024年3月11日(月) 東日本大震災から13年、日本映画アカデミー賞受賞

 13年前の今日、言わずと知れた「東日本大震災」が発生し、しばらく日本中をてんてこ舞いさせた1日となった。14時46分ごろPCで原稿を書いていた時だった。突然自宅がガタガタと大きく揺れ、一瞬外を見ると電線が大きく揺れているのが目に入った。これ以上揺れるようなら外へ飛び出そうと思っていた。今日の朝刊1面の片隅に「東日本大震災で犠牲になられた方々への追悼をお願いします」と政府の広報が出ていて、午後2時46分から1分間の黙とうをお願いしますと付言されていた。数日後2008年に越前高田市で講演した際に車の送迎などで大変お世話になった市役所の方が亡くなられたことを新聞紙上で知った。私も13年前と同じ書斎で1分間手を合わせて犠牲者を追悼した。

 あの地震は、今年元旦に起きた能登半島地震に比べて遥かに大規模で犠牲者の数も60倍ほど多く、加えて福島第1原発から放射能物質が漏れ出したことも、地震による津波以上に地震災害に大きな被害を与えた。これを機に反原発の声が高まり、予定していた原発の開発は一応止まったままである。ところが、エネルギー不足を理由に徐々にその「原発停止」の張り紙は、なし崩し的に消えつつあるのがどうも気になる。

 現在被災地で大きな課題となっているのは、震災により避難した人々の内多くの人が、まだ元の土地へ戻らず被災地の人口が減ったままであることである。街は確かに再建されても昔のたたずまいとは変わった。やはり気がかりなのは住民がまだ戻って来ないことである。人口の減少は、街の活気を失わせる。今以て避難者が2万9千人もいる。被災した太平洋沿岸43市区町村の人口は、現時点で12.7%も減っている。特に津波の被害が深刻だった地域では、約3割の住民が戻って来ていない。その一方で東北地方随一の都市・仙台市とその近郊では、逆に人口が増えている。これは奇しくも都市の肥大化と集落の過疎化を象徴する現象とも言える。かつての故郷がどのように避難した住民を元の土地へ戻すことが出来るかを問われている。まだまだ、復興は大分先になるのではないだろうか。

 今日明るい話題もあった。今年のアメリカ映画界アカデミー賞授賞式が行われ、日本の作品が3点ノミネートされていたが、その中で長編アニメーション賞にスタジオジブリ製作、宮崎駿監督作品「君たちはどう生きるか」が選ばれ、同じくアニメの山崎貴監督作品「ゴジラ-1.0」が視覚効果賞を受賞した。宮崎監督作品が栄冠を獲得したのは、「千と千尋の神隠し」以来21年ぶりである。「君たちはどう生きるか」はアメリカ映画界を席巻し、数々のオスカーを獲得し、その勢いでイギリス・アカデミー賞もすでに受賞した。視覚効果賞にアジアから選ばれたのは初めてである。日本のアニメの人気は、今月亡くなった漫画家鳥山明氏や、「チビまる子ちゃん」の声優TARAKOさんが亡くなったことに海外で広く追悼の気持ちを表したことにも表れている。

 映画鑑賞もこのところ遠のいているが、アニメは元々あまり興味がなかった。しかし、これからは偶にはアニメ作品を観るようにしないと時代に置いて行かれるかも知れない。

2024年3月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com