88年前の今日、1936年2月26日軍国主義がエスカレートした象徴的な事件、2.26事件が勃発した。事件も米寿を迎えたわけである。軍事国家大日本帝国は中国大陸へ侵略し、遂に太平洋戦争に突っ込み敗戦を迎えて、アメリカ主導の下に民主主義国家として再興された。同時にこの陸軍青年将校による軍事クーデターから戦争へと進み多くの戦死者を出し、戦後になって国土を荒廃させたとの反省に立ち、民主主義国家として再起を期し2度と戦争を起こさないために新憲法に軍備を持たないことを約束し明記した。
然るに時代の経過とともに、過去の反省を忘れ、軍国主義が再び頭をもたげだしたのである。その典型は、アメリカの要請を受け入れ、軍隊と寸分も違いのない自衛隊を設置し、戦争反対の国民をよそに憲法に違反する軍事国家へ変貌しつつあることである。散々議論された非核3原則は今では空論となり、アメリカの要請により防衛力増強は防衛予算を一気に5年間43兆円に増額し、敵基地攻撃能力を備え、次期戦闘機をイギリスと共同開発するほどの危ういプランである。まったく憲法の精神は無視され、戦争を知らない今の国会議員が身勝手に戦争へ向かって一直線である。財政健全化が懸念される中で、1年間に8兆円を超える防衛予算は破格である。防衛費は、2023年度国家の一般会計予算の7.5%に該当する。
このように過去の過ちを反省したフリをしながら、防衛省は自衛隊員に部隊単位で靖国神社に参拝させて自衛隊員を洗脳している。一方、国は国民から搾り取った税金を違法な防衛費へ注ぎ込み、再び戦争を仕掛けようとしている。
現在の自民党政府は再軍備化のお先棒を担いでいるが、昨今国民に不審を抱かれている裏金問題のように、濡れ手に粟でキャッシュバックされた資金を個人の懐に入れ、個人の所得として納税しない行為については、今の確定申告時期に納税者から税務署員に厳しい声がぶつけられている。しかし、国家財政を与る鈴木俊一財務相は、ポケットに入れた裏金を入手した議員に納税せよとは言わず、納税するかどうかは、本人が決めることだと国民軽視の暴言を吐いている。これでは、益々国民の気持ちを逆なですることになる。
今後益々防衛予算(国防予算)が増え、政治家が入手するパーティ券代の納税を拒否し、2.26事件の教訓を生かさず軍事国家化することなど、現在の国会議員が日本を壊しつつあることから、多すぎる無駄な国会議員を排除する意味で、議会にとって多すぎる議員数をこの際精査したうえで思い切って大幅に削減すべきではないかと思う。
さもなければ、2.26事件で犠牲となった高橋是清蔵相、斎藤実内相らも浮かばれまい。
国会議員以上に気になるのは、2.26事件のような軍部クーデターが当時大きな反響を呼んで戦争へ繋がったことを、今日もメディアは一行も、一言も伝えようとしないのは、メディアの責務を放棄していることである。近年メディアは、2.26事件ばかりでなく、政界について本音を主張するのを避けている節がある。批判的な論調が大分弱くなった。メディアの堕落としか言いようがない。これでは、出来損ないばかりの政治家の思う壺ではないだろうか。