2343.2013年10月12日(土) 中国共産党政府の唯我独尊

 東南アジア諸国連合(ASEAN)会議で日本と中国が存在感の競い合いをしている。近年中国が経済力を高めるにつれて中国の存在感が強くなってきた。中国では国の威信を示さんがため、軍事力を背景に他国の都合を斟酌することなくマイペースでことを進める傾向を強め、随所に問題が浮かび上がっている。経済の好況も実態とは必ずしもそぐわなくなっている。かつて日本でも話題になった「花見酒経済」に似ている。いずれ終焉を迎える。

 その中国が今朝の朝日新聞によると、中国政府は共産党の方針を浸透させるためメディアに関わる全記者25万人を対象に記者としての免許更新試験を実施すると決めた。今や中国が共産国家であり、マルクス主義路線を歩んでいるとは誰1人として信じてはいないと思う。言論の自由、報道の自由、それにも増して民主主義が行われていない。自分たちの代表を選ぶ選挙が行われず、共産党内の閉鎖的な組織、国民不在の中で代表者が決定される。だが、それにも拘わらず政府は記者に対して出題で「マルクス主義報道観として共産党中央の方針と政治上一致し、世論を正確に導く」ことを求め、「ニュースと世論を党の政策に背く道具としてしない」ことも求めている。党に逆らうなと一方的に申し渡して報道の自由をまったく認めていない。真意は何なのか共産党政府の意向が理解できない。一部の中国人記者からは時間の無駄と手厳しい。

 こういう「自由は許さない。言う通りに従え」的なマルクスも目を廻すような「現代中国共産党」的発想はどこから生まれるのだろうか。誰が考えてもこんなナンセンスな問題を中国国内ではインテリと称される中国人ジャーナリストに突きつける気持ちが分らない。理解されるわけがない。まるで「スズメの学校」である。何としても彼らジャーナリストを枠内に収めようと考えたのだろうか。バブル共産主義とでも考える以外普通の神経ではちょっと考えられない。

 さて、朝日記者がブルネイのアセアン会議直後に、ビルマのテイン・セイン大統領に取材した記事が1面、12面に大きく報じられている。ビルマ政府首脳も少しずつ国際社会へ歩み寄りを見せているが、テイン・セイン氏は一昨年大統領に就任以来、それまでのキン・ニュン氏、キン・モン氏の強硬路線から態度を軟化させてきた。最大の問題で、かつ国際社会から非難されているのは、少数民族への対応である。特にバングラデッシュ国境周辺の少数民族、及び独立を叫んでいたカレン族の対応が心配されていたが、来月には停戦協定を結ぶという。

 本当に実現できるかどうかは不透明だが、ビルマ政府も国際社会からの孤立を避けるため、妥協を打ち出してきたようだ。これまで比較的友好関係を保ってきた中国との関係にも綻びが見え、あちこちに歪みが表れて来た。対中関係をもっと他の国々との関係の中で見直そうとの動きが出て来たのある。ここに日本が期待され食い込む余地がある。中国の善隣外交が実態としては、投資国より自分たちに利益還元の狙いがあることが漸く相手国に分ってきた。テイン・セイン大統領のインタビューでも日本への期待が窺える。かつて良好だった日本とビルマの関係が修復されるチャンスであり期待がかかる。

2013年10月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com