2352.2013年10月21日(月) いざ戦地へ!学徒出陣壮行会70周年

 政府閣僚の中でも新藤義孝・総務相と古屋圭司・国家公安委員長兼拉致問題担当相が秋季例大祭を行っている靖国神社へ参拝したことが報じられた。何のために中国、韓国からの批判を承知のうえで敢えて参拝したのか、本人らの日本の外交を考えない利己的な信念?に基づいた行動であることは明白である。

 今月3日来日中のアメリカのケリー国務長官とヘーゲル国防長官が靖国神社ではなく、千鳥が淵戦没者墓苑に参拝し献花した。

 アメリカ政府としては、シリア問題などで外交が手一杯の状態のところへアジアで緊張が激化するのは好ましくない。日本が何とか中韓両国との間で問題を起こさないで欲しいという願いから、対米戦争で犠牲になった旧日本軍兵士らに哀悼の意を表明するために靖国神社ではなく、千鳥か淵へ向かった。アメリカの解釈は、千鳥が淵は戦没者のお墓でワシントンのアーリントン墓地と同じものと解釈しているようだ。そのうえで、日本政府に戦没者に哀悼の意を表するなら現状では千鳥が淵の方がベターとのシグナルを送った格好になった。

 アメリカ政府は誰の発案によって両長官の献花が実現したのか、いろいろ憶測が飛び交っている。日本政府閣僚が靖国神社に参拝することによって、中韓との外交関係に一層亀裂を生じさせることが、アメリカの対アジア政策上も好ましくないと考え、今後アメリカ政府要人はことあるごとに千鳥が淵へお参りして、参拝すべきは靖国神社ではなく千鳥が淵であることを訴えるようになるのではないか。

 かつてここで中部太平洋戦没者の遺骨の納骨式に出席したことがあるが、あまり仰々しくなく静かに執り行われた様子を見て、これもひとつのあり方だと感じたことがある。

 アメリカは安倍首相の靖国神社参拝を懸念しているのだ。下手をすると中韓との関係のみならず、対米関係もおかしくなる。

 さて、今日は明治神宮外苑競技場で東条英機首相出席の下に学徒出陣の壮行会が行われてちょうと70年目に当る。壮行会には約2万5千人の学生が参加したとされている。学生の徴兵が猶予されていたが、1943(昭和18)年9月に猶予が停止され学生は戦地に送られた。その数は明確ではないが、約10万人とされている。その記念碑が2020年オリンピック開催に向けて現在の国立競技場を建て直すことになり、その記念碑の存在が危うくなってきた。当時の生き残り学徒が保存を強く訴えているが、右傾化した政治家たちにとっては同じ考えのものである記念碑にそれほどの関心を示さない。

 戦争で亡くなった方々を尊崇し靖国神社へ参拝したいというなら、この学徒出陣の記念碑を保存することなんかそんなに難しいことではないと思うのだが、そんな気持ちより選挙で右翼票を勝ち取ろうと考えている参拝念願議員には学徒出陣記念碑はどうなっても関係ないとでも思っているのだろうか。所詮欲の皮の突っ張った参拝議員の行動である。嘆かわしい。

2013年10月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com