2358.2013年10月27日(日) 無人機飛行は許されるべきか。

 先日来パキスタンのシャリフ首相が、アメリカに対して無人機による攻撃を止めるよう要請している。すでに、パキスタン領内で500人近い人々が誤爆により死亡している。パキスタンでは一般に反米意識が強い。そのためアメリカの武力支援を必要とする場合は、所謂密約によって処理してきた経緯もあり、これまでパキスタン政府としては正面から不満を強くは言えなかったようだ。だが、これだけ自国民が意味もなく殺戮されるとなると黙ってはいられないのだろう。しかし、これはアメリカにしても同じで表立って抗議を申し込まれて難儀しているのが実態である。

 結果として両国の願いとは異なるが、国連の場で無人機による攻撃を巡る本格的な議論が始まった。これまで無人機はアメリカの独壇場だったが、いまではイギリス、イスラエルの他に中国も訓練を始めたと伝えられる。

 確かに危険な戦場で命を落とす兵士、民間人の数は年々増えている。無人機の攻撃により巻き添えや誤爆によって命を落とす民間人の数も増えた。パキスタンでは過去10年間にテロ攻撃で約4万人が死亡し、その一方で無人機がアルカイダ幹部などの掃討作戦で実績を残したとの思いもあり、無人機の偵察飛行を止めたくはないところだ。

 できる限り人間に取って替われる仕事はロボット化しようというのが、いまや産業界などでは通説であるが、戦争による犠牲者を減らすために武器をロボット化しようとするなら、どうして戦争自体を止めようとしないのだろうか。人間とは考える葦というけれど、こうなると愚かな動物と呼ぶべきであろう。

 国連委員会における各国の発言をチェックしてみると、アメリカとイギリス以外の国々はほとんど主権侵害、戦闘員と民間人との区別が難しいとの観点などから反対しているが、毎度自国に都合の好い持論を述べる中国は、「無人機について国際法は不十分で、不正使用されやすい。他国の主権を尊重すべきだ」と述べている。他国領空へ無人機を飛ばせておきながら、よく言うなぁという感じである。

 最近尖閣諸島周辺で無人機を飛来させ、海上自衛隊に見破られても知らぬ存ぜぬの態度に終始し、日本政府が国籍不明の無人機が日本領海内に飛来した場合は、狙撃すると発言するや、その場合は宣戦布告と見做すと物騒な言葉を述べる始末である。

 今朝の朝日新聞にも、大きな見出しで「中国軍全3艦隊西太平洋で演習」とか、「中国軍の4機南西諸島を縦断」との記事が掲載されている。後者の記事は今日まで3日連続だそうである。最近の中国は、一体どこまで好戦的で、他国に対して言いたい放題、やりたい放題の嫌がらせをやる国なのだろうか。

2013年10月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com