今日は湘南高校昭和32年度卒業の同期生会がJR大船駅近くの中華レストランで行われた。医師とか、天下った元官僚など特殊な人以外はほとんど現役を引退しているか、閑職に就いている。後期高齢者になった我々も年々黄泉の国へ行く同期生が増えた。同期生仲間401名の中でも、すでに100名近い友が亡くなった。それでも今日の参加者は90名近い数になった。ほぼ三分の一の同級生が参加したことになる。この種の会合では多い方ではないかと思う。
ラグビー部の仲間でも過日奥さんを亡くされた大島くんが元気な姿を見せてくれたのが、ほっとしたところだ。
前々から応援旗を母校へ寄贈する話があり、会場ででき上がった応援旗がお披露目された。随分大きな真紅の応援旗で、これを見て後輩たちがひと頑張りしてくれればそれでよい。
久しぶりにお酒を飲んだ。今月2度目である。先月はたった1度しか飲まなかったが、まあこのくらいのペースなら佳しとしよう。
さて、今朝の朝日新聞2面「ひと」欄に見慣れた写真を背景にした日本人女性が載っていた。「世界最大規模の報道写真祭『ビザ・プール・リマージュ』で最高賞を授賞した」林典子さん(29)である。授賞作品は「NATIONAL GEOGRAPHIC」2013年7月号に特集として掲載された「キルギス誘拐婚の現実」の取材記事と写真だ。
確かに購読している同誌をさっと読んでその取材内容に驚いた、というよりショックを受けた。その後の同誌10月号の「読者の声」欄にも「キルギスの誘拐婚に衝撃」と老若2人の女性から強い反応があったほどインパクトの強烈な特集だった。男女の幸せを象徴する結婚に、無理矢理に家族が関わって息子の花嫁を強引に誘拐する風習が今日まで継承されていることに愕然とした。これには、昔の風習を誤解した面もあるようだが、現実に許婚がいるのに見知らぬ男に誘拐され、無理矢理部屋に押し込まれ、逃げ出せないよう男の家族からも監視された例も多いようだ。中には自殺した女性もいるようで、国も放置しておけず、重罪を課して警告を発しているという。
それにしても取材のために4ヶ月もかけて民宿しながらレポートを仕上げた若い日本人女性の問題を看過できないとする社会正義とあくなき行動力には脱帽である。
それにしても同誌の自由でユニークな特集記事の取り上げ方には感心する。同誌がアメリカのほとんどの小中学校図書館に備え置かれている理由のひとつもこういうさりげなく鋭い社会問題を特集として組んでいるからではないか。近年日本の雑誌にまともな記事が見られなくなって寂しさを感じるが、せめてNG誌を手本に社会性のある問題をもっと取材してほしいと思う。
ついては、昨日全国各地で巨大都市の首長選挙が行われた。宮城県知事、長野市長、神戸市長、山口市長、鎌倉市長選他であるが、その中でも首都圏で政令指定都市の激しい川崎市長選挙が行われた。3期で退任した阿部前市長に至るまで延々42年間官僚の天下り市長を選んできた川崎市民が、今度ばかりは自民、公明、民主党の相乗り候補者として早々に名乗りを挙げた総務省出向役人の秀嶋善雄・前川崎市財政局長を無党派の元県会議員、福田紀彦氏が破り初当選した。元官僚が優勢と見られていたが、新市街地開発により有権者層に若者が増えた結果、元官僚が嫌われた結果だと考えられている。
実は、先日高齢者運転免許更新講習会受講の帰路、乗り換え駅のJR登戸駅で福田候補者の演説を聞くとはなしに聞いていた。中々訴えるものを持っていると熱意を感じて心情的に応援していた。
政策ではなく訴えていた3点の中で、「役人市長は会議室で決めるが、市民市長は区で決める」「役人市長の姿はなかなか見えず、市民市長は毎月車座集会で市民の声を聞く」「従来の1期4年で3千万円余の退職金は廃止」と自分は市民派であるとしきりに訴えていた。市民目線で市民のための行政を堅実に行うよう期待している。