2360.2013年10月29日(火) 明らかにされた企業のスキャンダル

 企業の不祥事責任の取り方として、最近2つの企業のケースが話題になっている。ひとつは、暴力団組織に無審査で資金融資していたみずほ銀行、もう一社は傘下のホテル、レストランがメニュー偽装の食事を提供して批判を浴びている阪急・阪神ホテルズである。

 みずほ銀行では、50数名を人事、給料面で処分したが、会長は銀行会長を辞めたがそのままホールディングス会長としては残り、頭取は辞めないので、実態は変わりない。結局トカゲの尻尾きりに終わったのではないかと批判の声がある。

 一方ホテルでは、社長がホテルの社長とホールディング取締役の両方を辞めるという責任の取り方を公表した。ここに行き着くまでに「表示に偽装があったとは認識していなかった」から、「偽装と受け取られても仕方がない」と表現を変えたようにその決断には悩んでいた。責任を部下であるホテル従業員の知識不足と非常識のせいにしたことを社長自らが告白することになってしまった。批判を浴びて後に引けなくなった社長が自ら身を退いた図式である。それにしても一流ホテルで、使うべき原料を使わず安い原料で代替していたことには驚いた。長年に亘って密かに行われていたとは、秘密保護法に一役買っていたか。一流ホテルでもホテル業界というのは、顧客無視の営利主義が幅を利かせていたとはあまりにも情けない。

 さて、いまスポットライトを浴びている特定秘密保護法案の是非が喧々諤々の中、今日駒沢大学の講座で菱山郁朗講師が日本テレビ記者時代に関わったスクープ映像をDVDビデオで見せてもらった。以前にも拝見したビデオだが、今日は関わった当時の気持ちや、いま振り返ってどう思っているか、などについて以前より感傷的に語られた。

 ビデオは社民連の楢崎弥之助代議士が国会でリクルート事件を追及していた最中に、リクルート側から代議士への贈賄の現場を菱山講師が隠し撮りした映像である。リクルート事件が一気に燃え上がった火種となったいわく付きの映像である。菱山講師は社内でもいろいろ自分に対する批判めいた声も聞いたそうだし、それまで通じていた中曽根元首相、藤波元官房長官を告発する形になったことをいまでも気にしていると話された。それでも、親交を深めた楢崎代議士からチャンスを与えられ贈賄現場を隠し撮りしたことは、いまも後悔していないと毅然として話された。

 あの当時の事件を思い出すと私にもいろいろ関連の事件も思い起こすことがあるが、当時世間を騒がせた大きな事件であることは間違いない。

 このビデオ鑑賞は、特定秘密保護法案を議論するにも参考になる事案だと思う。

2013年10月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com