5693.2023年3月23日(木) 中国、ロシアがナンセンスな共同声明

 中国の習近平国家主席がロシアを訪問し、プーチン大統領と首脳会談を行い共同声明を発表した。しかし、これほど欺瞞的で実効性のない共同声明は滅多にない。アメリカに対抗する両国が、結束をアピールするためだけの会談であり、声明だった。

 共同声明のポイントを見てみると、主要な問題はウクライナであり、3点に要約される。①中国の客観的で公正な立場を評価し、②和平交渉の早期再開に向けたロシアの考えを確認し、③国連安全保障理事会の議決を経ない独自制裁に反対する、というものである。すべて身勝手でまったく説得力のない声明である。中国の客観的で公正な立場とは、何か。両国だけで吹聴しているだけではないか。中国が客観的で公正な立場を取っているとはとても思えない。また、ロシアに占領地は返還しないと言いつつ和平交渉を行う気持ちがあるとはとても思えず、ポーズを取っているだけであるし、国連安保理事会の議決をいつも否定しているのは、中国とロシア両国ではないか。こんなナンセンスな共同声明を国際社会に開陳して恥ずかしくないのかと問いたい。他にも両国の身勝手な見解と言い分を盛り込んでいる。

 中国とロシア両国の腹の内は、とうに見透かされている。ロシアはウクライナから撤退の意思がなく、対話と和平を主張しているだけである。それを承知しながら、ロシアに恩を着せてロシアを手の内に取り込み、アメリカや西欧諸国、日本、韓国などに対抗しようと考えている中国の腹黒さは今に始まったことではない。心配なのは、中国・ロシアとアメリカとの間に一層の亀裂が生じて、一触即発の事態を招かなければ好いのだがと願うばかりである。

 昨夕NHKが伝えたウクライナとロシアの関連ニュースの中で、ロシア人に対するアンケート調査の結果を公表した。それによると、プーチン大統領の政策を評価するかとの問いに対して83%が賛成と答え、戦争をこのまま継続することに43%が同意し、和平交渉に50%が賛成だった。そういう風に国民をプーチン思考に洗脳し、国際社会の一般的な考えとは逆の方向に誘導するのがプーチン体制下のロシアである。また、それを上手に利用し、付け込もうと言うのが中国の腹の内である。そんなことは常識人なら察しがつく。中国とロシアは猿芝居をやって世界に不幸をばらまいているとしか思えない。

 さて、日用品の値上げが続いているが、これまで日本の経済を支えてきた酪農業がピンチに追い込まれている。このところ農業の中でも酪農農家の経営が苦しいという声が聞かれる。我が家でも毎日200ml瓶を配達してもらっている。それが4月から1瓶143円が148円に値上げされる。牛乳販売店から数枚の値上げ事情を記した丁寧な説明書を受け取ったが、牛乳には他の商品とは異なり、難しい事情が潜んでいる。現在乳牛の飼料代が経営コストのほぼ半分を占めているが、その飼料代が急騰したのだ。そして酪農家が抱える難問は、乳牛は暑さに弱く夏に乳が減少する。生乳の四季による需給調整が難しい。飲用牛乳は、日持ちがしないことから輸入が出来ず、すべて国産である。これらのことから酪農家としては、生乳を得るまでに相当頭を悩ますようだ。私自身父親が乳業会社に勤務していたが、こういう酪農業の実情についてはあまり聞かなかったので、今改めて乳業の経営の難しさを知ったところである。健康のために子どものころから毎日牛乳を飲み、それが今まで健康体でいられた原因であると思い、今も毎朝ヨーグルトとチーズを食しているが、気持ちのうえでも乳製品を食べていると気分的に落ち着くような気がする。政府の農業政策には、格別農業経営に配慮する気持ちが見られず、それが農家を一番困惑させているようだ。

2023年3月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com