5692.2023年3月22日(水) 岸田首相ウクライナ訪問直後に日本WBC優勝

 昨日夜のニュースを聞いて些か驚いた。インドを訪れていた岸田首相がお忍びでウクライナを訪れ、昨夜ゼレンスキー大統領と首脳会談を行ったのである。1月末に大統領からウクライナ訪問を要請され、首相は5月開催のG7広島サミットで議長を務める立場上、更に各国首脳がすでにウクライナを訪れていることに鑑み、首相自身何とか訪れたいとの希望がありながら、諸般の事情から実現されなかった。首脳会談後の共同記者会見で、首相はウクライナへ殺傷能力のない装備品を支援することを明らかにし、大統領は広島サミットにオンラインによる参加を表明した。

 岸田首相は早くからウクライナを訪問して、日本の経済支援を直接ゼレンスキー大統領に伝えたかったが、昨日までそれが出来なかった。それは国会開会中の首相外遊が難しいということの外に、警備上の問題があった。自衛隊が護衛することは問題があり、適当にして厳重な護衛手段が見つからなかったという。そのため今回は大掛かりな警備体制を行わずに、密かに相手国の協力を得たうえで忍者的行動によりウクライナ入りした。首相は19日にインドへ向かい、今年G20主要20か国首脳会議議長国を務めるモディ首相と会談を行い、その後21日には日本へ帰る予定だった。一部の自民党幹部にしかその行動は知らされず、外務省課長もメディア関係者もまったく寝耳に水だった。日本からチャーターした民間機でニューデリーから、ポーランドへ向かった。そしてポーランドから陸路列車で首都キーウへ到着した。この行程はバイデン大統領が2月に訪れた時と同じである。岸田首相としては、念願を果たしたと言えよう。それにしても将来のことも考え、こんな忍者行動をしなくても済むように要人警護体制を考えるべきではないか。

 岸田首相のウクライナ訪問は、欧米のメディアではそれなりに評価されているようだ。ホワイトハウス報道官は、ウクライナへの強い支援を示す一つの例であると語った。イギリスのBBCは、偶々中国の習近平国家主席がロシアを訪問したことに触れ、「中国と日本の指導者は、紛争で敵対する国々にそれぞれ戦略的に訪問した」と述べたうえで、「習近平主席がモスクワを訪問したのは、影響力を拡大させるためで、同じ時期に岸田首相がウクライナを訪問したことは、地政学的な混乱の中で日本の立ち位置について強いメッセージを送るものだ」と岸田首相の訪問の意義を分析した。

 さて、WORLD BASEBALL CLASSIC(WBC)野球の日本代表チーム「侍JAPAN」が、今日決勝戦で前回の優勝チーム・アメリカを3X-2で破り14年ぶりに3度目の優勝を成し遂げた。中々迫力のあるゲームで途中一部テレビを消したが、最後の場面では再び緊張して観ていた。アメリカの選手は強打者揃いで、実績だけ比較したら勝てる根拠はまったくなかったが、日本はまとまってそれぞれの選手が自分の役割を果たしていた。注目の大谷翔平選手は、3番DHで出場したが、9回には投手として試合を締めた。結局大会最優秀選手、最優秀投手、最優秀DHの個人賞まで獲得した。

 3月9日に始まって今日まで約2週間昨年のサッカー・ワールドカップに劣らぬ人気で日本中を興奮させたが、この人気に配慮したのか、伊藤忠商事㈱のように社員にゆっくり見せてあげた方が、その後のやる気を起こさせるとして都内本社ビルの2,500人収容の大会議室で、出勤扱いにしたうえプロジェクター・スクリーンで社員にWBC決勝戦を観戦させたようだ。

 社員の勤務意欲を失わせないよう配慮しているのも時代の移り変わりの影響であろうか。間もなく日米ともプロ野球がシーズンインし、半年間に亘る激しいペナント争いが始まる。WBC出場選手たちも気持ちと体のコンディションの調整にはしばし戸惑うことだろうが、WBCで活躍した選手たちが、更に飛躍されんことを期待している。

2023年3月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com