昨晩遅くなって突然衝撃的な外電が入ってきた。暗黒の国・北朝鮮の№2で金正恩第一書記の後見人だった張成沢・国防委員会副委員長が4日前に全役職から追放されていたが、昨日特別軍事裁判にかけクーデターを計画していたとして死刑判決を下し、直ちに処刑した。あっという間のスピード粛清である。
現代社会でこのような冷酷非道な処罰が認められていること自体異常である。北朝鮮は普通の国とは異なる異様な国ではあるが、ここまで異常な国とは空恐ろしいことだ。
60年前スターリンを批判したソ連のマレンコフ首相が、同じように厳しい処分で役職から追放されたが、処刑されることはなかった。ただ、内部抗争の過程で政敵ベリア第一副首相がフルシチョフ第一書記との政争に敗れ、処刑されたことをぼんやり憶えている。その当時父から酷い事件だなぁと言っていたのが頭に残っている。
その後中国の文革時代には党内の対立から毛沢東に追放され、中には殺害された大物も数多くいた。
そして今回北朝鮮のこの粛清である。独裁者による一方的な断罪で、申し開きもできない。クーデターを画策し、国家転覆陰謀行為を行ったとして反党・反革命的と決め付けられた。
今後金正恩体制がこの残虐な行為に対して国際社会へどう納得できる説明をするだろうか。もしこのまま金体制が突っ走ったら、ミサイルを発射したり、核実験を繰り返すことにもなるだろう。行き着く先は地獄だろうが、取り敢えずどんな火花が飛び散るか、周辺国としては気になるところである。