2408.2013年12月16日(月) 立ち止まって考えるか、強引に突っ走るか。

 昨日イェメンで日本大使館の2等書記官が襲われた事件は、テロとか思想的な考えから襲撃されたものではなく、単に金を目的の強盗にやられたものだった。政治的な背景がなくてほっとした。最近現地では外国人を襲撃する悪党が度々出没していたようだ。そう納得していたら、今日はフィリピンのマニラ郊外で中古自転車販売業を経営していた日本人が銃で脅され車で誘拐された。これも身代金目当てで襲われた所謂物取りの口だ。世界中どこも油断ならなくなった。

 さて、昨日埼玉県北本市で住民投票が行われた。JR高崎線の北本・桶川駅間に新しい駅を作る計画を建てていた北本市に対して、市民が反対の声を上げ住民投票を行うことになった。衆議院選を上回る62.34%の投票率の結果、3/4以上の反対票を得て新駅建設反対派が勝利を収めた。人口減少傾向のあった北本市が市街の活性化のため企業を誘致し雇用拡大を図り、人を呼び込むことを狙って新駅の建設をJRに呼びかけた。ところが、新しい鉄道駅の建設になぜ市民の間にこれだけ多数の反対者があるのか疑問に思っていたところ、建設費用の負担がバカにならないという込み入った事情があった。新駅の建設に72億円もかかり、そのうち北本市の負担が50億円に上がるそうだ。年間予算200億円の北本市にとっては、あまりの巨額の負担に声も出ず、後世にツケを遺す出費に市も決断できず、市民に選択を委ねたという事情と経緯があった。

 出費に見合う収入が望めないなら、取り止めるのも致し方ない。むしろ賢明な選択ではなかっただろうか。

 しかし、この北本市の住民投票でこんなことも考えた。選挙で選ばれた首長、議員であろうともすべての決定権を住民から委ねられたわけではない。時には踏み留まって是か非かを冷静に考えてみることが必要である。その点で今の自民党が数の力に物を言わせてすべて自分たちの思い通りにことを行うというのは、いかがであろうか。これこそ民主主義政治の横暴だと思う。

 次の総選挙では数の力を振り回すことのないよう、せめて1強多弱の勢力分布にならないよう政権政党が立ち止まって考えさせる政治を期待したいと思う。

2013年12月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com