2413.2013年12月21日(土) アメリカ人の日米安保に対する感情

 日米両政府首脳は日米安保体制の必要性と重要性をことあるごとに強調している。特に中国と外交関係が険悪になってからはかなり踏み込んで発言している。私たちが学生時代に60年安保闘争に参加して、日本がアメリカのアジア戦略に加担して、日本国内が米軍基地化によって戦争へ巻き込まれる危険性をアピールし大きな国民運動を興したが、安倍首相の祖父・岸首相が強引に法案を押し通し、今日に至るまで日米安保条約は維持され、「日米協調」を建前にわが国は多額の在日米軍基地負担を負わされている。日本の中の外国という印象である。しかもその財政負担や日米負担割合は、先の特定秘密保護法によって、今後国民には知らされず、ただ黙認することを強いられることになった。

 その安保条約が、実は前記のような両国首脳の表向きの支持にも関わらず、アメリカの一般国民、或いは有識者の間では必ずしも支持されていないことが判明した。それも年々評価が下がっている。昨朝の朝日新聞によれば、外務省が今夏アメリカ国内で実施した「日米安保条約」世論調査ではこれまで90%前後の支持があったが、今年はその支持が2割余も落ちて安保条約を維持すべきだと回答したアメリカ人は67%となり、対前年で22%のダウンだそうだ。昨年までアメリカ市民の9割以上が支持していた安保条約が、今年になって2/3にまで落ち込んだ。普通のアメリカ人は今や日米安保条約にはあまり賛成していないということである。

 もっと愕然とさせられる数字は、「アジア地域の中で最も重要なパートナー」として昨年まで日本が50%を占めていたものが、35%にまで落ち、中国に対しては39%であり、日本以上に中国を頼りにしていることである。本当のところはどうなのか。率直と言えばそう言えるが、年々成長している中国を無視できないことは分るが、かねがね安倍首相は日米関係は磐石であるとことあるごとに喋っているが、実情はこんなところなのだろうか。いまの政治家、外務省には充分反省してもらわないといけない。その外務省が理由は断定できないというのだから頼りにならない。

 アメリカ市民の本音は、日本と中国との対立がエスカレートしてこの紛争の渦中にアメリカが巻き込まれることを警戒しているのではないかと推測されている。

 いずれにせよ、日本としてはアメリカに気を遣い、応分の負担をしながらアメリカと一体となって安全保障戦略を講じていると言いたいところだが、実態は斯様に、日本が思うほどにはアメリカは日本の安全保障に気を遣ってはいないというところだろう。

2013年12月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com