昨晩遅くなってから森喜朗事務所に昨日のノン・フィクションの校正原稿について私の考えをメール送信したところ、今朝長谷川秘書から連絡があった。
元総理大臣を相手にあまり争いを大きくしたくないとの気持ちもあり、森喜朗氏の意向を受け入れようと考えていると話したことにより、秘書からは好意的に写真の貸し出しについても配慮していただけるような話になった。結局森氏から申し入れられた無人島贈呈のミステリアスな話をカットすることにした。できれば、3枚ほど写真を拝借したいと申し上げた。1枚は森氏の父親、2枚目はラグビー・ジャージー姿の森氏、3枚目はミクロネシア滞在中の森氏、以上の3枚の写真をできれば拝借してノン・フィクションに使いたいと思っている。
午後になって再び秘書から電話があり、私の意向を森氏へ伝えたところ無人島のコラムについて一度話し合いをしたいと森氏が言って下さったので、近々アポを取ってもらえることになった。昨年6月にアポのドタキャンがあったが、その二の舞はしてほしくない。森氏には大分真剣にこのノン・フィクションを捉えて下さっていることが分った。引き続き、推敲を続けている。
さて、今夕のNHK「クローズアップ現代」で、国谷裕子キャスターがパキスタンの少女マララ・ユスフザイさん(16)にインタビューしていた。1年余前母国で女性に男性と同一の教育機会を与えることを訴えていて、イスラム教過激派に銃弾を撃たれ重傷を負った若い学生である。3日間も人事不省の後に死の淵から奇跡的に生還した生命力の強い高校生である。
国谷さんとの会話から知ったことは、16歳の高校生にしてはあまりにも落ち着いていて信念が固く、しっかりしていることである。先日国連議場で各国代表を前に落ち着いて分りやすくはきはきと持論を話す姿勢には16歳には見えない風格すら感じさせた。国谷さんの質問に対してもまったく動じることなく、多少意地の悪い質問にも淀みなく堂々と応える態度には驚かされた。昨年のノーベル平和賞でも最年少受賞者になるのではないかと期待されただけのことはある。父親が教育者だという家庭環境だけではなく、自ら前向きに総合的に現実社会のありようを学ぼうとしている姿には、舌を巻いた。どうしたら若くして、というより幼くしてこういう成長を遂げることができるのだろうか。正論を論理的に話すシャープさには、ただ恐れ入るばかりである。
将来政治家になりたい理由は、医者では一部の人しか救えないし、教育家では教育を受ける者にしか影響を与えられないが、政治家ならすべての人を救うことができるからだと即座に応える頭の良さには感服した。
若くともこういう有能な人物がいるということに力強さを感じたが、日本人でないのがやや残念な気がする。しかし、まあこういう若く立派な女性が世の中にはいるということを知って心強く感じた。