いま国内を騒がせている差し迫った政治問題が2つある。ひとつは、来月の東京都知事選である。その中で何が熱くさせているかと言えば、一昨日の本欄にも取り上げた細川護熙元首相の立候補問題である。まだ正式に立候補を表明できないのは、同じ脱原発を主張する小泉純一郎元首相の支援を得られるかどうかがはっきりしないからである。76歳になるが、本人も満更ではないようだ。細川氏が立候補を表明すれば、民主党が推薦を決めているようだ。各党と同時に都民としても、早く決めてもらいたいところだ。
一方で議会与党の自民党は推薦すべき候補者が思うように見つからない。昨日自民党都連が新党改革の前代表・舛添要一氏を推薦することにしたが、これも自民党本部としては推薦できない。それは3年前に自民党を離党し新党を立ち上げて自民党を除名処分されたしこりが残っているからである。まだまだ、宇都宮健児氏推薦を決めた共産党と社民党を除けば、当分各党ともに候補者選びに右往左往することになりそうだ。
もうひとつの政治問題は、言わずと知れた沖縄の普天間米軍基地の辺野古への移設問題である。昨年末に仲井真弘多知事が、移設問題に終止符を打つかのように辺野古の埋め立てを承認すると表明して俄かに沖縄は熱くなった。
ついに昨日沖縄県議会は知事の公約違反として辞職を求める決議案を賛成多数で可決してしまった。明日には辺野古のある名護市長選が告示される。名護市長選も賛成派と反対派が入り乱れて醜い選挙戦が行われるだろう。しかし、こればかりはいくら一方が勝とうとも所詮基地問題は国が決めるべき事案である。政府は名護市長選の結果に関わらず、住民の意向を無視して基地問題を推し進めるだろう。そうなると辺野古埋め立てを承認した仲井真知事が失職した場合、仮に賛成、反対どちらの派が勝とうと、選挙民の意思に関係なくこれも政府が強引に埋め立て、基地移設を決めるか、現状のまま基地は維持されるかのどちらかになるだろう。
2つの話題都市、首都東京の知事選、或いは基地の県・沖縄知事選がらみの基地移設問題がまだまだ話題を引き摺っていくことになるだろう。