今日は立春だというのに、全国的に冷え込んで北陸、日本海、西日本方面ではかなりの積雪があったようだ。昨日は15℃ぐらいの気温でほかほか陽気だった。それが今日は都内でも午後から雪が降り出してきた。お寒いと思っていたら経済市況も影響を受けたか、アメリカ経済の先行き不安感から世界的に株価を下げ、昨日の日経平均が295円も下げたのに続き、今日も610円の下げ幅で今年最大の値下げ幅となった。昨年6月以来の大幅な下げ幅である。
さて、籾井勝人・NHK新会長の会長就任記者会見における発言が物議を醸したばかりだが、同じNHK経営委員の作家・百田尚樹氏が、昨日一日都内を都知事候補者田母神俊雄氏の応援演説に付き合い、右翼的歴史・憲法観について持論を述べた。南京大虐殺はなかったとか、真珠湾攻撃を宣戦布告なしと責められるが、宣戦布告をした戦争当事国はほとんどないとか、憲法改正をアピールしたり、不遍不党、中立を求められているNHK経営委員としては些か脱線気味だ。新会長が批判を浴びたばかりでもあり、少しは遠慮するかと思ったが、そんな気はさらさらないようだ。普通なら特定の候補者の支援を口外することも憚られるところだが、そんな考えは露ほどもないようだ。
百田氏は安倍首相とは極めて近い仲で、その縁でつい最近経営委員に就いた。籾井会長が強い批判を受けたのに対して、一経営委員の百田氏については、朝日新聞以外は極めて鷹揚のようで、菅官房長官に至っては、個人的な発言にはコメントしないと受け流した。
だが、NHK12人の経営委員の中に最近になって首相の考え方に近い人が何人か加わるようになって、今後NHKの放送は本当に中立、公平を保っていけるのだろうか。NHKは少しずつ官製放送となり、政府のスポークスマンに堕落するのではないかと気にかかる。そしてその挙句に対中戦争に突入するのだろうか。
安倍首相のオーバーヒート気味の猛進に、政府自民党内に誰ひとりとしてプレーキをかけるものがいないことが情けない。アベノミクスの評価にすっかり好い気分になって、抽象的な積極的平和外交を進めているうちは好いが、国民が知らぬ間にしたたかに国費の無駄遣いをやっている。
国家財政が厳しい中を民主党政権下で国土整備事業の予算が抑制され、多くの道路予算が凍結されたにも拘わらず、安倍政権になってから国土強靭化計画というカムフラージュをして大盤振る舞いを始め、凍結どころか新たな道路予算を加えて道路建設予算は急上昇を始め、いまや青天井の感がある。
因みに民主党政権時代は2010年度137億円、11年度332億円、12年度445億円だった当初予算が、何と安倍政権になってからの15ヶ月で1136億円という気前の良さである。こんな調子で国家の財政再建ができるのだろうか。