2日、3日の本ブログで取り上げた東京都知事選候補者のチラシについて、もうひとり今日もまた別人のチラシが投入されていた。大物候補者、細川護熙元首相の隠れチラシである。」
「東京が日本を変える会」と称する団体が出したものだが、一面には「原発を次の世代に残したくない-W元首相の挑戦」と題して小泉元首相の写真と応援メッセージ、そしてその他の支援者として瀬戸内寂聴、澤地久枝、なかにし礼、菅原文太、湯川れい子氏らが名を連ねている。裏面に5つの政策が書かれている。だが、肝心な細川氏の名前はどこにも見られない。これだけ見ると小泉元首相の宣伝パンフレットのように思える。
これで、宇都宮、田母神、細川氏の奇妙なチラシが配られたことになるので、明日辺り舛添氏のチラシが投げ込まれるだろう。チラシを良く見てみると会名の下に「東京都知事選挙確認団体法定2号ビラ」と書かれていた。都知事選に関して特別認められたチラシだということが何となく分ったが、どうしてこんなクイズまがいのチラシを敢えて認めたのか、疑問である。堂々と候補者の名前とメッセージを載せた方がどれだけ効率的であるか。
さて、今日驚いたというより、失望させられたのは、「現代のベートーベン」として知られる、全聾の作曲家・佐村河内守氏が自分の作曲と言っていた曲は、実は別人が作曲していたものだと発表した。昨年佐村河内氏についてはNHKスペシャル番組でも紹介され、苦難の半生に興味を持っていた。佐村河内氏は被爆二世として交響曲1番「HIROSHIMA」を作曲し、広島でオーケストラが演奏しただけに広島には特別にファンが多い。「HIROSHIMA」はヒットしてファンも多かったのに、レコード会社は発売を即中止とし、すべての公演も中止とされてその影響は計り知れない。その他にもまもなく開会されるソチ・オリンピックのフィギュア・スケートで高橋大輔選手は佐村河内氏が作曲したとされる「バイオリンのためのソナチネ」を使う予定である。
長い間によくもここまで多くの善意の人を騙してきたものである。佐村河内氏もともかく、実際に作曲したとされる人物がどうやって10年以上に亘って陰の人となり得たのか。それにしても不思議な話である。