5475.2022年8月17日(水) 知事にはどんな人物が相応しいか。

 タレントの東国原英夫氏が、今年12月に行われる宮崎県知事選に再出馬すると発表したのに少々驚いている。また出るのか、というのが率直な感想である。2007年の県知事選に出て初当選したが、惜しまれながらも1期だけで辞め、その後日本維新の会から衆議院比例区近畿ブロックで当選したが、1年務めただけで翌年辞任してしまった。政治家としての力量は未知数であるが、県知事当時はかなり活躍し、知事に一目会いたいと県庁を訪れる人が多かった。中でも知事在任中に乳牛の伝染病が流行り、蔓延防止のために大量の乳牛を殺処分することに苦渋の選択をしたことを思い出す。それにしても多くの県民から支持を得ながら、1期で知事を辞め、衆院議員も1年で辞め、東京都知事選にまで出て落選した経歴は、政治家として本当に県民、国民のために仕事をしたいと願ってのことだったのだろうかと疑問に思っていた。またお山の大将になりたいとの幻想が蘇って来たのではないだろうか。

 タレント稼業に手を染めながら、政治にも色気があり、それでいま再び政治に挑戦してみようとの気持ちが生れたのだろうか。自己本位が過ぎて、宮崎県民を軽く見ているところがあるのではないだろうか。多分タレントとしてある程度の知名度を得た、思い上がりと甘さ、そして世間知らずだろう。

 問題は東国原氏の後を継いだ総務省OBの現職河野俊嗣知事が、すでに4選を目指して立候補を宣言しており、東国原、河野両氏が揃って同じく自民党県連へ推薦申請を出していて、両者のガチンコ勝負になりそうだ。

 それにしても河野宮崎県知事のように、どうして自治体の長は、中央官庁、地元自治体の出身者が多いのだろう。全都道府県の知事は、元官僚、自治体幹部、や大臣経験者がほぼ75%を占めるというから驚異的である。これには、地方財政は中央政府からの援助がなければ成り立たないという現実がある。その点で中央官庁と太いパイプのある知事が望ましいということらしい。しかし、それでは地方行政が中央によって左右される事態があり得るのではないか。

 東京都の小池百合子知事や、大阪府の吉村洋文知事が、国に対して物怖じせずに発言出来るのは、官僚出身でないからであり、その意味では、宮崎県はどちらの候補者が知事になった方が、県にとってはプラスになるのか。派手なパフォーマンスの前知事か、はたまた堅実な行政官の現職か、12月の結果が待ち遠しい。

 ところで先の参院選でも多くのタレントが立候補し、国会議員になったが、押し並べて国政に携わるには少々力が足りないと思う。勉強不足の議員が多いし、世の中を知らな過ぎる。例えば、当選して嬉しかったのだろうか、陸上長距離選手として活躍した松野明美議員の如きは、取材されても現役選手時代と同じように早口でベチャベチャ喋るだけで中身がまったくないという印象だった。国会議員として海千山千の議員に交じって国民のために尽くすべく自説を主張し、考えを実現するようなことが出来るだろうか。

 また、もうひとりのタレント、生稲晃子新人議員のように、協力団体の支援がなければ、当選が覚束ないと思い、当時の萩生田経産相とともに、今話題になっている旧統一教会の支援を受けるべく関連施設を訪れたことが昨日明らかになった。当人もそうだが、彼らを支援する政党がもう少し立候補者の資質を知り適格性を充分調べたうえで、推薦してもらいたいものだと思う。

2022年8月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com