5455.2022年7月28日(木) トヨタのクレームで国策が変る。

 5月末に岸田政権が新しい資本主義実行計画案の中で、「2035年までに新車販売で電動車100%」と大々的に打ち出した。電気自動車以外の車は将来的に販売規制を行うというものだった。ところが、この舌の根も乾かぬ1週間後に「新車販売でいわゆる電動車(電気自動車・・・及びハイブリッド自動車)100%」と括弧内文言が書き加えられたのだ。トヨタの豊田章男社長がこの実行計画案を見て、これではトヨタは今後岸田政権を支持しないと甘利明・元自民党幹事長にクレームをつけた。このトヨタからの抗議を受けて岸田内閣はあっさり方針転換をしてしまったのだ。

 昨年11月岸田首相は、国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)の首脳会合スピーチで、2兆円の基金を活用した電気自動車普及への支援を宣言した。しかし、その後首相はトヨタからのクレームによる方針転換の後に開かれた主要7か国首脳会議(G7)で、恥ずかしげもなく共同声明からCO2を排出しない自動車の普及目標を削除するよう要求した。これでは国際社会から日本は脱炭素に不熱心で電気自動車の普及を妨害していると受け取られかねない。

 それより何より日本が世界へ訴える国策を、いかに1自動車会社社長としてではなく、日本自動車工業会会長の立場から不満の申し入れであるにしても、こうあっさり受け入れて気候対策に逆行する看板政策を書き換えることが許されて良いものだろうか。元経済産業省官僚だった古賀茂明氏は、政府はトヨタの求めた踏み絵を踏んでくれたから恩返しに参院選で支援し、自動車工業会は多額の献金をする関係が続いていると皮肉っぽく述べている。

 偶々去る5月イギリスのシンクタンクが発表した、世界の主要な自動車メーカー12社の「気候変動政策への対応」に関する格付けでは、トヨタが最下位だったということが分った。

 ところで、今日夕刊を見て驚いたのは、アメリカの連邦準備制度理事会(FRB)が先月に続いて再び金利を上げることを発表したことである。しかも今回も6月の0.75%という大幅な金利上げと同率の0.75%もの金利を引き上げるという。その理由は40年ぶりと言われるアメリカ国内のインフレを強力な金融引き締めで抑え込みたいとの思惑である。これにより益々日本の円安が昂進するだろうことが予想される。気になるところである。
 さて、今日も新型コロナウィルスの新規感染者は増える一方である。全国23万3千人、東京都も40,406人ともに過去最多となった。ヨーロッパでは最近の感染者数は落ち着いているが、今日アメリカでも感染者がぶり返していたが、実は昨日はそのアメリカを追い抜いて日本が世界で一番感染者が多かったという不名誉な記録を作ってしまった。この1週間の新規感染者を見ても日本が一番多い。感染対策が緩いということではないだろうか。政府は前回発令したまん延防止などのような特別警報を発令する動きを相変わらず示していない。現状のまま個人が行動を自粛することだけに委ねていても良いものだろうか。

2022年7月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com