5449.2022年7月22日(金) コロナ感染過去最多と日本の金融政策

 今日もコロナ新規感染者は、全国的に19万5千人余を数え、東京都内でも3万5千人弱となり、いずれも3日連続で過去最多となった。アメリカでは、バイデン大統領も感染したようだ。この影響を受けて大相撲名古屋場所の今日の幕内取り組み18番の内、7番が不戦となる異例の13日目となった。場内アナウンスで力士の休場が放送される度に観客からどよめきが起きていたのも当然だと思う。このため力士にとっても悲喜こもごもで、優勝争いのトップを走る前頭2枚目の逸の城が不戦勝となる一方で、入門以来休場のなかった同3枚目玉鷲がコロナ感染で休場する羽目となり不戦敗となってしまった。

 ところで、この一両日新聞は金融の利上げの話題に取り込まれている。ウクライナ危機を受けて、ユーロ圏の6月のインフレ率は実に8.6%だった。過去最高の物価水準であり、これを抑え込まなければ景気後退に見舞われるとの危機感が強い。ヨーロッパ中央銀行(ECB)は、この事態に対処してこのほど11年ぶりに政策金利を0.5%引き上げることを決定した。事前予告の2倍の大幅利上げにより物価高騰を沈静化させようとの狙いである。アメリカでも歴史的な物価上昇が収まる気配がなく、利上げが繰り返され、6月には実に0.75%と言う大幅な値上げを実施した。それでもまだ値上げは不十分と考えられ、今月末には再び利上げされるのではないかと見られている。

 世界的に物価高が恒常的になり、欧米以外にも利上げを実施している国々が多い。2022年に入ってから世界で63か国もの中央銀行が利上げしたと報告されている。

 その一方で、日本だけは引き続き金融緩和政策を継続し、このまま金利を上げる考えがないようで、昨日日銀の黒田東彦総裁は経済を支えるため金融緩和を続けると語った。その理由のひとつである物価上昇であるが、日本の上昇率は今日総務省が発表した消費者物価指数によると値上がりは2.2%で欧米の8~9%に比べればまだかなり低い。因みに主要国の政策金利を比較すると、断トツに高いのが13.25%のブラジルであるが、以下カナダ2.50%、韓国2.25%、アメリカ1.75%、オーストラリア1.35%、イギリス1.25、ユーロ圏0.50%の順で、これらを見ても日本の▲0.10%は別格である。

 懸念されるのは、日本がこのまま金融緩和策を続ければ、欧米諸国との間に金利差が広がり、円安が更に広がることであり、円安で輸入コストが高まって国際収支は赤字となり、当然ながら物価に反映されることである。現在1㌦が138円台後半にまで下がった円の価値をこのままにしておいて良いものだろうか。黒田総裁は頑なに現在の金融緩和政策を継続する意向のようだが、それが影響したのか欧米諸国とは逆に日本の国内総生産(GDP)は、コロナ禍以前の水準まで回復していない。経済界としては金融緩和策は望むところであろうが、労働界は国民の気持ちに寄り添う行動を取るべきではないかと思う。日本の物価上昇率は2%台とは言え、国民には肌に物価値上げが肌に突き刺さっている筈である。黒田日銀総裁も芳野友子・連合会長ももう少し、庶民感覚を感じ取って、各界の声を聴いて国民が納得出来る対策を講じるよう検討を進めてもらいたいと思う。

 それにしてもメディアは状況を報道するだけで、日本がいかなる立場を取るべきかについてもっと深堀して分析し、あるべき姿を伝えてもらいたいと願っている。

2022年7月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com