5443.2022年7月16日(土) 非常識な新参議院議員とコロナ患者過去最多

 先の参議院選挙の結果、著名人が選ばれた一方で、珍しい変わり者も当選した。特に比例区のような全国区では、知名度の高い候補者は有利で、その何人かが当選の栄冠を得ている。中でも日本維新の会では、女子マラソンの松野明美、歌手中条きよし、元東京都知事猪瀬直樹、野球評論家青島健太らが選出された。れいわ新選組からはタレントの水道橋博士が当選した。

 しかし、他に何といっても驚いたのは、NHK党から当選したガーシー氏で、私も初めて知ったが、一部の人の間ではユーチューバーとして広く知られているらしい。東谷義和という本名があるらしいが、選挙公報紙には写真も経歴も掲載されず、正体がよく分からない。どうも胡散臭い人物のようだ。一番問題だと思うのは、選挙前から今日までずっとアラブ首長国連邦のドバイに居住して、当選後の今も帰国しないその行動である。そのため昨日総務省が当選者へ当選証書付与式を行ったが、本人は出席せず、代わりにN党の立花孝志党首が代理で証書を受け取った。国政選挙であるにも拘らず、名前だけ仮名で立候補して、当選後も海外に滞在して所定の行事に出席しないというのは、当人は一体何を考えているのだろうか。選挙制度ばかりでなく、有権者である国民を冒涜していると思う。

 もともとこのNHK党という政党にしても、NHK受信料を払わないよう視聴者に訴え、NHKをぶっ壊すなどと非常識で恫喝的なスローガンだけを掲げて、国会へ出て何をやろうとしているのか分からない政党である。そんな政党が比例区で125万票も獲得出来たということ自体信じられない。

 疑問を感じるのは、立候補者が国外に居住していても良いのだろうかということである。国内、しかも選挙区で有権者に所属政党の政策と自分の考えを訴えることこそ、選挙期間中の立候補者として当然の姿だと思う。しかし、理解し難いことに公職選挙法では、普通の地方議員の被選挙権については、選挙区内に3か月以上住んでいなければならないが、国政選挙の場合は居住地の規定はないという。ガーシー議員の場合は、帰国すれば詐欺容疑の疑いで警察に逮捕される可能性があるとのことで、帰国しないといういかがわしさである。そんな怪しい候補者を公認候補として推薦するN党もおかしい。国会法では、指定された期日に各議院に集会しなければならないと規定されている。だが、国会議員には、国会会期中は所属する議院の許可がなければ、原則として逮捕されない「不逮捕特権」なるものがある。ガーシー議員はこの隙間を突いて国会開催中に逮捕されないことを見越したうえで帰国し、国会に出席するのではないかと考えられている。この様子では、秋に開会される臨時国会まで図々しく諸手当をもらいながらドバイで気ままな生活を送るのだろうか。もし仮にガーシー議員が臨時国会に出席しなければ、議長が出席を促し、それでも出席しなければ懲罰委員会にかけて、出席議員の2/3以上の同意があれば国会議員の地位を失うということである。いかに非常識なガーシー議員でも、お金をかけて折角獲得した国会議員の地位を失うようなことはしないだろう。

 それにしても法律も抜け穴だらけだし、国政の場で働こうとする国会議員の中には、こうした非常識で無責任な人物もいるものだと呆れるばかりである。そもそもNHK党なんて国政政党を認めること自体が理解不能である。もう少し政治を真面目に考え、行動して欲しいものだと思う。

 さて、昨日に続いて今日も全国でコロナ新規感染者が多数発症している。2月5日に1日で過去最多の104,169人が発症したが、今日はそれを上回り全国14県で過去最多となり、全国的にも過去最多の110,432人が発症した。まったく溜息が出る。まだ終息は先の話である。

2022年7月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com