国連の北朝鮮人権委員会が、北朝鮮の広範囲な人権侵害を厳しく非難する最終報告書を一昨日ジュネーブで公表した。報告書では北朝鮮の政治体制について金正恩第一書記を頂点とする全体主義国家ととらえ、まったく思想の自由と言論の自由がないと激しく批判し、市民を従属させるために政治犯収容所を設営し、拷問を行い食べ物を与えず餓死させているとも糾弾している。
更にカービー委員長は金第一書記を名指しで非難し、北朝鮮の人権侵害、就中収容所はナチスによるユダヤ人収容所の残虐行為と同じで、国際刑事裁判所(ICC)への訴追が必要だとも語った。
これで少しは日本人拉致被害者の救出に明るい希望を抱かせるかと思いきや、普通の国ではない北朝鮮がすんなり柔軟な姿勢を示すとは思えない。案の定早速ジュネーブの北朝鮮代表部は、わが国には人権侵害なるものは存在しないし、報告書を拒絶すると頭から無視する姿勢である。盗人猛々しいとはこのことであろう。一方で、親北朝鮮の中国は、北から中国への脱北者を強制送還していると非難されたことについても、法と人道主義の原則で適切に処理していると反論する有様である。首を傾げざるを得ない。また、ICCへの訴追問題に関しても北朝鮮の人権状況の改善の助けになるとは思わないと他人事のように言っている。北朝鮮はとてもまともな国ではないので、痛いところを突かれると反対するか、知らんぷりか、反論するしか何もできないが、中国は国際世論とはまったく反対方向を向いていることは間違いない。その中国に聞きたい。どうしたら北朝鮮は拉致を止め、中国はそれに協力するのか気のきいたアイディアぐらい出してみではどうだろうか。
夜になってソチ・オリンピックで銀メダル獲得のニュースが入ってきた。種目は、スノーボード女子パラレル大回転というものだ。種目の名前だけ聞いただけでは、どんなスポーツがさっぱり分からないが、まずまずめでたい。