2476.2014年2月22日(土) 後輩、がんばれ!TPP交渉も正念場だ。

 ここへ来て日本にとって避けては通れない難問が正念場を迎えた。今日からシンガポールで環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の閣僚会議が開かれている。12カ国の閣僚が出席しているが、2国間協議を重視しており、日米間交渉がまとまらなければ会議自体があまり成果を上げたものとはならない。その点で日本もアメリカと事前に打ち合わせしているが、前途は多難である。最大の難問は、アメリカが撤廃を要求する農産品5項目の関税をどこまで下げることができるかという点である。国内では農協を始めとして農家、農業団体が現状の関税引き下げには強く反対している。牛肉の輸入関税は現在38.5%であるが、一見してこれはあまりにも高すぎるような印象だ。しかし、日本の酪農家にしてみれば、1%でも下げれば酪農家は倒産してしまうというほどの危機感を抱いている。

 一方で、日本車のアメリカへの輸出には、2.5%の関税を課され、逆にアメリカ車の輸入は免税である。しかし、対米輸出している日本車が年間200万台に対してアメリカ車の輸入は8千台と理解に苦しむほど少ない貿易量である。すべてが関税で決まるわけではなく、品質とかサービスとか別の要素が大きく比重を占めているからだ。アメリカの自動車産業界は、現状維持を望んでいる。それらを勘案しながら交渉を続けなければいけないので難しいところだ。

 今年いただいた年賀状の中に公正取引委員会の諏訪園貞明・官房国際課長からいただいた賀状がある。まさにいま話題のTPPを担当して忙しいと書かれていたので、多分いま頃は忙殺されていることだろう。彼は2人の息子たちの家庭教師をやってくれていた大学の後輩だが、中々優秀で日本銀行に入ってから経産省に出向、その後公正取引委員会へ替わり、東北大学公共政策大学院教授を務め、そして内閣府参事官を経て、再び公正取引委員会に戻って現職に就いたのは昨年6月である。インターネットで彼をクリックしてみたら、何と2009年7月27日付本ブログで、私が彼の東北大教授就任に触れて書いたことが記載されていた。独占禁止法に関する著書も上梓して、いまやこの道の専門家である。何とまあ慌ただしい経歴だろうと思うが、随分頑張っているようだ。だが、彼らがいくら真面目に研究に研究を重ねてたたき台を作っても、決定権を持つ政治家がよほどしっかり考えて判断しないと、諏訪園さんらの苦労は報われない。

 がんばれ、諏訪園!愚かな政治家に負けるな!一層の活躍を祈っている。

2014年2月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com