ソチ・オリンピックも今日閉会式を迎えた。あっという間の17日間である。毎度のことながら各種目で悲喜こもごものシーンが見られたように思う。オリンピックが終わると、直ぐパラリンピックか始まる。この2つの抱き合わせ開催と言ってもいい方法は、パラリンピックにも世界から目を向けさせようとの試みから始まったものだが、できればパラリンピックを先に開催した方がパラリンピックへの注目度が高まると考えている。日本だけで決められる問題ではないが、2020年東京ではぜひそうしてほしいと思う。
さて、国家主義的総理大臣・安倍晋三氏がここへきて益々わが道を往く姿勢をかたくななにしている。昨日衆議院で「武器輸出3原則」を撤廃する方針を明らかにし、新たな3原則の素案を与党に示した。近いうちにこれを閣議決定してしまおうとの腹積もりだろう。首相の前のめりに一層拍車がかかり、いまや政府与党内でもブレーキをかけられない有様である。「自分が決定者、最終責任者」との言い分について、民主党の岡田克也・元副総理が首相の対応は傲慢ではないかと鋭く質問したが、安倍ちゃんはどこ吹く風とばかりひょうひょうとしていた。この様子を見ていると安倍首相には普通の感覚で議論してもまともな論争にはならないだろうと思う。国のトップがこの程度の行動しか取れないとは悲しい現実である。このままでは、日本の政治が危うい。メディアももう少し首相が堪えるような質問なりコメントをどしどし呈すべきであろう。
さて、このところデモにより国内に大きな対立が起きていたウクライナで、昨日になって大統領府から治安部隊が撤退し、代わって反政権派の市民ら自警団が入り込んでいる。国の首脳が首都キエフを脱出し、ヤヌコビッチ大統領の行方も一時的に分からなくなった。議会は大統領が権限を放棄したものとみなし、独自に前倒し大統領選を実施すると決めて、政権は機能不全に陥った。
随分あっけなく政権を放り出すものだ。悪名高いシリアのアサド大統領の執念に比べるとまるで子どもである。大統領の政敵で服役中だったチモシェンコ元大統領は釈放され、早速大統領選出馬を表明した。慌ただしい動きに、仲介していた欧米各国も驚いているようだが、大統領を支持していたロシアも態度を急変させて支援を取り止めると言い出した。
問題は、事態を放り出して権力者が逃げた構図になっているだけで、事態は解決へ向かっているわけではない。惨めな思いを味わうのは国民である。明日以降の政権派と反政権派がどういう行動に出るか。目が離せなくなった。