5423.2022年6月26日(日) ロシア侵攻の蔭でアフガンとミヤンマーの災難

 ウクライナに対するロシア軍の攻撃は相変わらず熾烈を極めていて、ロシア軍によるウクライナ東部の制圧が懸念されていたが、昨日東部ルハンスク州の主要都市であるセベロドネツク市長が、同市がついにロシア軍により制圧されたと発表した。ウクライナ、ロシア両国国防省からもそう公表された。ウクライナにとっては先月マリウポリ市が制圧されて以来の衝撃的事態である。

 ところで国連をはじめ、多くの国々の関心がこの地域だけに集中している間に、以前は同じように世界の注目を集めていたアフガニスタンとミヤンマーでは、今一体何が起きているだろうか。

 アフガニスタンでは去る22日東部で、マグニチュード5.9の大きな地震が発生し、千人以上の死者が出た。アフガン東部については、かつてペシャワールからカイバル峠を訪れているので、周辺の環境と雰囲気は大体想像がつくが、1本の舗装された公道から脇道へ入ると車も思うように進むことが出来ないような地域が多いので、救援車両が現場にたどり着けないのではないかと気になる。また、その脇道も地震の影響を受けたとなると、その後の犠牲者も増える一方ではないかと心配である。加えてこの周辺の家屋には、強固な鉄筋が使用されず、ただ日干し煉瓦を積み上げただけのところが多く、簡単に崩壊するので、倒壊家屋の下敷きになった住民が多いのではないかと彼らの安否が懸念される。

 日干し煉瓦の家屋については、1999年8月にトルコでトルコ最大のイズミット地震(M7.9 )に遭遇した際、ものの見事にビルや住居が崩壊した様子をあちこちで見ている。死者・不明者1万4千余名が犠牲になったイズミット地震では、被災地の倒産した家屋はほとんどが日干し煉瓦を積み上げた建物だったのを見て、家屋が簡単に崩壊したのは無理もないと思ったものだ。

 問題は、タリバン政府の非民主的な圧政に対して各国が正当な外交関係を維持しなくなったことから、被災地の住民が困窮すれば、普通なら直ちに外国から救援隊が駆け付け、当座の対応とその後の支援を提供するのだが、ウクライナ戦線の厳しい現状から考えてもアフガン国民に温かい援助の手が差し伸べるようなゆとりがないことではないか。

 一方、ミヤンマーでは、国家顧問のアウンサンスーチー氏が21年2月発生のクーデター以後身柄を拘束、収監され、一向に解放されるとのニュースが伝えられない。そして、当時の一部政権幹部が死刑を求刑され、近日執行されるとの情報が流れてから、いずれについても軍政からその後の詳細が伝えられていないことが不安である。これもウクライナ情勢に世界の目が集まっている間隙をついて、目立たないように非民主的な措置が実行されることが気がかりである。

 国連では、昨年来アフガニスタンとミヤンマーの現政権が、新しい国連代表の承認を求めているが、いずれの決定も先延ばしされている。このように両国は、国際社会において正当な評価を得られていない。ウクライナ情勢の混迷が、間隙を突いた両国の理不尽な言動に現れなければ幸いである。

 さて、今日も一昨日、昨日に引き続き暑かった。最高気温は群馬県伊勢崎市の36.8℃だったが、全国最高気温ランキング10位以内にはすべて関東地区の都市が入り、東京からも練馬区(36.4℃)と千代田区(36.2℃)の両区が入っていた。これでは、しばらく自宅に逼塞しているより手立てがない。

2022年6月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com