今週伊勢志摩サミットが開催されるが、アメリカのオバマ大統領は今日首都ワシントンを発っった。日本を訪れる前にベトナムを訪問する。
アメリカが深くコミットしたベトナム戦争は、南北ベトナム軍人及び民間人併せて約150万人もの尊い生命を失わせた。アメリカ兵も5万7千人の犠牲者を生んだ。昨年戦争終結40周年を迎えたが、べトナム国内を泥沼戦争化させた最大の責任は当時のアメリカ政府と米軍にある。特に戦時中アメリカ空軍と南ベトナム空軍によってばら撒かれた枯葉剤による枯葉作戦は、ベトナム国民に大きな後遺症を与えることになり、その傷は今も癒えていない。私がひとり南ベトナムの首都サイゴン(現ホー・チー・ミン)を訪れた1967年1月は戦火が特に激しく、1年後にベトコンによるテト攻勢がかけられベトナム中を恐怖のどん底に陥れた。サイゴン市内には緊迫感があり怖くなるような臨場感があった。
オバマ大統領は戦時下に訪れるわけではないが、それでもベトナム国民が米大統領に枯葉作戦の現場とその傷跡を見てもらいたいと希望しており、その傷跡に触れることはオバマ大統領にベトナム戦争の無為を知らしめることにもなり、ベトナム人も安らいだ気持ちになることだろう。そのうえで、オバマ大統領は広島の原爆被災地に足を踏み広島市民の気持ちも理解するようになる。
決して無駄なベトナム行でもなければ、もちろん無用な広島行でもない。それは、非核化を世界へ向けアピールしている、残り任期の少ないオバマ大統領にとって実績となり、後々プラスになることと思う。
さて、先日しばらくぶりにネットでアマゾンから書籍を購入した。4冊の小説に、評論1冊である。前者はすぐ送られてきたが、評論は2日も遅れて来た。理由はよく分からないが、取次店ですぐ手配できなかったからだろうか。私もただ同然の廉価で買ったのはこれが初めてだったが、書籍代がたったの1円である。これに配送料と手数料が257円で、合計258円という低価格である。これに僅かだが溜まっていたポイントで差し引きして、請求額は209円だった。評論は、2008年に講談社から1400円(税別)で売り出されたもので新品同様である。
いかに古本扱いされたとは言え、手間と暇をかけて支払い額が209円とはあまりにも安すぎる。読書家にとっては有難いが、この世知辛い世の中で随分悠長な商売もあるのものだと改めて教えてもらった次第である。